軽い処分「全容判明前に」 黒川検事長辞職

2020年5月23日 02時00分
 辞職した黒川弘務・東京高検検事長に対する処分が訓告だったことに、「なぜこんな処分で済むのか」「普通の会社だったら解雇」「身内に甘い」と会員制交流サイト(SNS)などで批判が飛び交っている。人事院の指針では「賭博は懲戒処分」。有識者からも「懲戒処分より軽くなった理由が分からない」と疑問の声が上がる。
 国家公務員の懲戒処分には「免職、停職、減給、戒告」があり、法務省は「訓告、厳重注意、注意」の監督上の処分も設けている。人事院が示す懲戒処分指針の標準例では賭博は「減給か戒告」、常習賭博は「停職」の対象だ。人事院の担当者は「直ちに形式的に当てはまるわけではなく、賭博行為の動機や金額などを各省庁が総合的に判断して決めている」と話す。
 法務省は、週刊誌が疑惑を報じる前日の十九日、黒川氏への聞き取りを始めた。森法相は二十二日、賭けマージャンを巡る過去の処分例などを内閣で協議し、稲田伸夫検事総長が最終的に処分を決めたと説明。「必要な調査は終了した」と述べた。
 同日の衆院法務委員会で法務省の川原隆司刑事局長は、黒川氏が新聞記者らと行っていた賭けマージャンについて、「レートはいわゆるテンピン…千点を百円と換算しており、必ずしも高額とは言えない」と説明した。
 元刑事裁判官の水野智幸・法政大法科大学院教授(刑法)は「全容が判明していない中での訓告処分は説得力に欠ける。早期幕引きを図っているとしか思えない」と問題視。「国会が国政調査権を行使して再調査するなどの徹底検証が必要だ。うやむやに済ませば、政権や法務・検察に対する国民の不信は一層深まる」と批判した。 (山田雄之、山下葉月、小野沢健太)

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