10万円申請でミス相次ぐ チェック欄に「落とし穴」 確実にもらうには…

2020年5月21日 17時36分

特別定額給付金の申請書を準備する職員。首都圏でも各世帯に届き始めている=東京都江戸川区で

 新型コロナウイルス感染症の経済対策で国民に一律10万円を支給する「特別定額給付金」を郵送で申請する際、思わぬ落とし穴が待ち受けている。総務省が作った申請書が分かりにくいため、受給を「希望しない欄」にチェックしかねないのだ。申請が本格化する首都圏では、ミスと思われるケースが相次いでおり、事務を担う自治体は申請書を独自で作り直すなどして注意を呼び掛けている。(加藤健太、三輪喜人)

◆「希望しない」は勘違い?

 「これは勘違いだろうなあ」。5月15日に申請書類の郵送を始めた東京都練馬区の職員は、早速返送されてきた申請書を見て思った。
 世帯の全員が給付金を「希望しない」の欄にチェックしていたためだ。ただ、給付金の合計金額が記入され、銀行口座のコピーなども同封されたりしていたため、区の裁量で給付の手続きをした。同じような間違いの申請書は区に相次いで届いている。
 落とし穴は、総務省が自治体向けのひな型として作成した申請書に潜んでいた。ひな型を見ると、給付対象者の名前の横にチェック欄がある。

総務省が作った申請書のひな型。受給を希望しない場合にチェックする様式になっているが…(同省ホームページより)

 うっかりチェックしてしまいそうだが、「受給を希望されない方はバツ印を」と書かれている。練馬区もこのひな型を参考に申請書を作り、希望しない欄にチェックを入れてもらうようにしたため、誤解する人が出ているという。
 総務省の特別定額給付金室は「受給を希望する人がほとんどと考え、希望しない人を抽出する方が間違いが少なくなると判断した」と説明する。

◆文京区は独自の申請書

 だが、事務を担う自治体の反応は芳しくない。19日から申請書の郵送を始めた文京区緊急経済対策推進室の担当者は「ひな型を見て『これだと希望する人もチェックしてしまう』と直感した」と振り返る。そこで、給付対象者の名前の横に「要」「不要」の欄を併記して作り直し、受給を希望する人も「要」の欄に「○」を付けてもらうようにした。

東京都文京区は申請書を改良して「要」「不要」の欄をどちらも設けた

 同じく19日から郵送を始めた葛飾区も独自の様式に改良した。不要な人がチェックを入れる形式は総務省のひな型と同じだが、表記を「不要欄」と強調して示し、「不要な方はバツ印を」と目立つように書き添えた。さらに、申請内容に基づく「支給決定通知」も後日送り、誤りがないか確認してもらう方式にした。

◆もらえない可能性も

 もし、誤って「希望しない」にチェックを入れた場合はどうなるのだろうか。総務省のひな型とほぼ同じ形式の申請書を活用する江戸川区の担当者は「辞退欄にチェックがあって振込先の記入もなければそのまま処理せざるを得ない」とした上で、「ただし振込先に記入があれば、間違いの可能性もあるのでその都度確認したい」と話した。
 申請書類を出す前に、十分に注意をした方が良さそうだ。

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