【動画】首都圏の停電危機なぜ起きた?どう乗り切った? 政府が繰り返した要請の効果は

2022年3月23日 06時00分
 首都圏は22日、電力需給の逼迫で大規模停電が起きかねない事態となった。そうした状況になぜ陥り、どう乗り切ったのか。(小野沢健太、小川慎一)

電力需給の逼迫から、節電のため夜間のライトアップを終日中止した東京スカイツリー=22日午後6時49分、東京都墨田区で(佐藤哲紀撮影)

◆気温低下と発電施設の障害が重なる

 この日は東京都心で雪が舞うほど気温が低下し、電力需要が上昇した。東京電力によると、午後1時台に、4525万キロワットと最大需要を記録した。2011年の東日本大震災以降では3月として最大規模の需要に近づいた。
 東電が見込む供給力には限界があった。19~20日に横浜市磯子区にある電源開発の石炭火力発電所(120万キロワット)が故障で停止。天候が悪く太陽光発電は期待できなかった上、福島県の太平洋沿岸にある2つの石炭火力発電所は16日の地震で損傷していた。
 相馬共同火力発電の新地発電所(新地町、100万キロワットが2基)は港で石炭を荷揚げするクレーン4基のうち、2基の支柱が倒壊。炉の損傷などは調査中で、広報担当者は「復旧には長期間かかると思う」。東電と中部電力が共同出資するJERAの広野火力発電所(広野町)6号機(60万キロワット)は復旧に1カ月かかる。

◆「蓄電池」みるみる減る余力

 東電は供給を補うため、栃木、群馬などに計8カ所ある「揚水発電所」をフル活用した。揚水発電は高低差のある2つの貯水池(ダム湖)の間に発電機を設置。電力が余る深夜に上の池に水を揚げ、必要な時に水を下へ流して発電する仕組みだ。供給力を調整する「蓄電池」と位置付けられている。
 東電によると、22日午前7時時点で100%(1%は10万世帯1日分の電力に相当)だった揚水発電ができる水の残量は、午後2時時点で59%に。送配電を担う東電パワーグリッドの岡本浩副社長は「このままでは午後8時台に使い切り、広範囲で停電が起きる」と危機感を強めた。
 政府と東電が呼び掛けた節電は、昼すぎまで目標の3割にとどまった。午後3時前、萩生田光一経済産業相が臨時会見した後に、ようやく大口利用者が節電に応じた。揚水発電も夜に余力を残せるようになり、大規模停電の危機を脱した。

◆23日も引き続き節電を

 今回、政府は21日夜、初めての「電力需給逼迫警報」を出したが、節電目標を達成できたのは翌日夕方前になってから。政府と東電は震災直後のような計画停電を想定せず、節電による停電回避にこだわった。23日も需給逼迫が続くため、政府と東電は引き続き節電を求める。

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