<プロに聞く くらしとお金の相談室>株式投資信託 始めたい

2022年3月24日 08時44分
<Q> 株式に投資するタイプの投資信託に興味があります。初心者は「インデックスファンド」の商品を選ぶといい、と聞いたことがありますが、どのような特徴があるのでしょうか。選ぶときのポイントや注意点も教えてください。

◆リスク分散 考えて選択 ファイナンシャルプランナー(FP)・石原玄紀さん

<A> インデックスファンドは、株価指数など市場の動向を表す指標(ベンチマーク)と連動した運用成果を目指す投資信託のこと。指標が上昇すれば投資信託も値上がりし、指標が下落すれば値下がりする、というシンプルな仕組みです。個々の企業の株式などに投資するのと違い、市場全体の動きに左右されるのが特徴。インデックスは指数、ファンドは投資信託のことで、「パッシブ(受動的)ファンド」とも呼ばれます。
 株価の指標にはさまざまな種類があり、それぞれに連動するタイプの投資信託が販売されています。日本国内の指標では、東京証券取引所(東証)の市場第一部に上場している企業約2200社のうち株式の取引が活発な225社で構成する「日経平均株価」、一部上場の全社の動向を数値化した「東証株価指数(TOPIX)」などが代表的です。
 海外の株価の指標もさまざま。特に、米国の主要企業を対象とする「S&P500種株価指数」に連動する投資信託は、これまで米国市場が好調だったこともあって人気です。日本以外の先進国の企業の動向を表す「MSCIコクサイ・インデックス」も主な指標の一つです。
 インデックス初心者は、最初は日経平均やTOPIXに連動するタイプを選ぶと分かりやすいと思います。これらの指標の動きは毎日のニュースで伝えられるため、自分から調べなくても自然と情報が入ってくるというメリットがあります。
 どの商品がいいかを判断する方法の一つとして、「モーニングスター」などの投資信託の評価サイトをチェックするのも手。投資信託の規模を表す純資産総額や、リターンとリスクについての評価、売れ筋ランキングなどの情報がまとめられており、インデックスに特化して調べることもできます。
 投資信託を購入すると、買い付け時の手数料に加え、運用している期間は信託報酬などのコストがかかります。インデックスの場合、買い付け時の手数料は無料のタイプが多いほか、信託報酬も安く、おおむね0.1〜0.5%ぐらい。連動する指標が同じでも、商品によって信託報酬などに差があるため、比較してみるのもいいでしょう。
 インデックスに限らず、投資信託には商品の目的や特色をまとめた「目論見書」という資料が用意されています。投資する資産の配分割合や、主要な投資先に関する詳しい情報、為替の影響の有無、販売開始時からの値動きの推移、投資リスク、手数料などが詳しく書かれています。こうした資料に目を通すことも、知識を得る上で役立ちます。
 個人的にはどこか特定の国だけではなく、例えば全世界型など、幅広く投資する商品を選ぶ方がリスクの分散という面からも良いのでは、と考えます。また、国の少額投資非課税制度「つみたてNISA」の対象になっている投資信託は、手数料が安く、長期・分散・積み立て投資に適しているといった国の基準をクリアしたもの。この中から選べば失敗が少ないでしょうし、税制上の優遇措置も受けられます。

<詳しく!>高リターン商品も

 インデックスファンドとよく比較されるのが「アクティブ(能動的)ファンド」。機械的に指標と連動させるインデックスに対し、運用担当者の裁量で投資するのが特徴だ。
 サイバーセキュリティーや人工知能(AI)、環境分野などテーマを絞って投資するものや、原油や金の相場に連動するものなど、商品の特色もさまざま。運用に必要な調査などのコストがかかるため、信託報酬は高めだが、インデックスを上回るリターンを出している商品もある。
 株式市場全体が好調でも、その投資信託は値下がりする、といったことも起こるため「一定の投資の知識があり、世の中の流れに合わせて敏感に商品を選べる人に向いている」と石原さん。ただ「アクティブでも、時代ごとに成長が見込める投資先を柔軟に選んでくれるなど、初心者も買いやすい商品があるので、よく比較して検討してほしい」と話す。 (河郷丈史)
<いしはら・げんき> 1979年、名古屋市生まれ。証券会社勤務を経て、金融商品仲介業「きわみアセットマネジメント」の金融アドバイザー。日本FP協会の国際資格・CFPなどの資格を持つ。

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