<代替わり考 皇位の安定継承>(2) 旧宮家男子の皇籍取得を

2020年5月18日 02時00分

◆日大名誉教授(憲法)・百地章氏

 「男系男子」の皇位継承は皇室の二千年近い伝統であって、先人たちは大変な苦労をして守ってきた。憲法と皇室典範の規定から考えても、この原理原則を絶対に変えてはならない。秋篠宮殿下と悠仁(ひさひと)親王の継承順位はすでに第一位と二位に決まっており、この現状を揺るがす議論は安定的継承を阻害するだけだから、女性・女系天皇は選択肢から除外するべきだ。
 論点は悠仁親王の次の継承をどうするかだ。唯一の解決策は戦後に連合国軍総司令部(GHQ)の外圧で無理やりに皇籍離脱させられた十一の旧宮家の子孫から、若い世代の男子に皇族となっていただく方法だ。
 旧宮家の男性は現憲法下でも皇籍離脱まで約五カ月間、継承資格があり、皇室典範でも継承の順序を定めた第二条二項に「最近親の系統の皇族」として登場する。いまは二項が空文化しているが、法的経緯を踏まえると、旧宮家の男性を皇位継承の「特別な有資格者」とみなすことができる。
 宮家は天皇家と同じ血筋の傍系として、直系男子が不在のとき天皇を出した歴史がある。四つの旧宮家には明治天皇と昭和天皇の皇女が嫁ぎ、香淳皇后は別の旧宮家から昭和天皇に嫁いだ。天皇家と血縁が近く、親戚として交流している。
 現在、久邇(くに)、賀陽(かや)、竹田、東久邇(ひがしくに)の旧四宮家に計八人から十人の若い男子がおられる。そのうち本人の同意が得られたふさわしい方を何人か皇族として迎え、いまある宮家に養子に入ってもらうなどして、将来の皇室を支える体制を整えることが最善の策と考える。
 女性皇族に継承資格を認め、結婚後も皇室に残ってもらう案には反対だ。なぜなら皇室と無縁な一般男性が結婚を機に皇族となるうえ、一般男性の血筋である女系天皇の誕生につながりかねないからだ。それは初代神武天皇から男系で続いた皇統の断絶を意味する。
 前近代の八人の女性天皇はいずれも男系で、あくまで一時しのぎの例外的な存在だった。現代に女性天皇が即位すれば、制度としても男性配偶者と子の地位や待遇をめぐって法的な混乱を招く可能性が高い。 (聞き手・阿部博行)

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