岸谷 香《東京 MY STORY》「入学から低学年の私」(世田谷区深沢/東京学芸大学附属世田谷小学校・前編)

2022年4月13日 09時55分

ミュージシャンの岸谷香さんが、東京の街と体験を重ねて綴ります。人生の大半を東京で過ごしてきた岸谷香さんが、それぞれの時代の東京の街模様を、自らの体験や大切な思い出と重ねて書き綴るエッセーです。リアルだからこその共感あふれる連載です。

第11回 世田谷区深沢/東京学芸大学附属世田谷小学校(前編)
「入学から低学年の私」


 深沢にある東京学芸大学附属世田谷小学校、略して『附小』。私が通った小学校です。
昭和40年代に小学校を受験させた両親はよっぽど教育に興味があったのか、又は見栄っ張りだったのか、真相は解らないままですが、とにかく、5才の私は、同じ型の折り紙を探したり、タンバリンに合わせてケンケンパーをしたり…そんな入試(今の小学校入試とは比べものにならない程、遊びの延長のテストだったと記憶しています)をくぐり抜け、なんと!!くじ引きも突破して、晴れて附小の生徒になりました。今でも国立の小学校の入試では1回、多い学校では2回ものくじ引きを突破しなくてはなりません。『運も実力のうち』的な考え方なんでしょうか(笑)。まぁしかしながら、本当に商店街のくじ引きと全く同じスタイルで、トイレットペーパーや割引券ではなく、入学資格が当たるという、ちょっと信じられないような話ですよね。努力のし甲斐ゼロですよね(笑)。
 50年前の私のくじ引きは、テストに一次テストに合格した親子が講堂に集結し、ガラポンの箱を回して出てきた番号の書いてある玉を大切に持って席に戻ります。親が回しても、子供が回してもどちらでもOKで、私の場合は母に「後々、お母さんのせいだって言われるの嫌だから、自分で引きなさい」と言われて、自分でガラポンを回しました。全員がガラガラやって番号玉を手にすると、最後に校長先生が、同じ数の玉が入った別のガラガラから1つ玉を引きます。その数の前後の60人ずつが合格という仕組みで、校長先生の引き当てた番号がアナウンスされ、一瞬静まり返り、全保護者が頭の中で、60を足したり引いたり計算している沈黙のあと、歓喜と落胆の入り混じった大歓声が上がったのをハッキリと記憶しています! 人生最初に体験した大歓声は、間違いなくあの瞬間です!!
 
 それから数ヶ月後、入学式。まず学校指定の制服とランドセル。ちっとも可愛くもない紺色に白いセーラカラーの制服、女の子なのに黒いランドセル。これは6才の女子には大打撃でした。近所の女の子達は、みんな赤い可愛いランドセルなのに、どうして私は男の子と同じ黒のランドセルなのか…理解したのはかなり大きくなってからだったと思います。そして、皆さん絶対に信じられないと思いますが、こう見えて私、とても引っ込み思案な性格で、今では平気で皆さんの前で、大声で歌を歌ったりおしゃべりしたりしていますが、6才の頃は「奥居香さん」と呼ばれて「ハイ!」と返事をする事が恥ずかしいと感じるシャイな女の子だったんです!! 入学式では新入生ひとりひとりが担任の先生から名前を呼ばれ、「ハイ!」と答えて立ち上がらなくてはならず、蚊の鳴くような声でしか返事ができない私は、家で何回も何十回も「奥居香さん」「ハイ!」と母親に練習させられたのを覚えています。
 
 そんな私が少し今の私に近付いたのはある事件からでした。
 当時通学の方向が同じ生徒で、通学班というものが作られて、みんなで集団下校をしていました。その中であまり気の合わない子がいて、その子とちょっとしたトラブルが数回ありました。こう読むと、皆さんきっと私がその子をいじめたように思いますよね(笑)!? ところが、当時の私はなんてたって返事ひとつ大声でできない引っ込み思案君ですから、その逆でちょっと意地悪されちゃったんですね。そして更にそれを友達にも親にも言えずにいたもんで、下校時になるとそのストレスからかトイレに行きたくなり、通学班は全員揃わないと帰れないので、いつも私のトイレ待ち。班の男子達がブーブー文句を言い出しました。
そこで初めて担任が事態に気づき、その小さなトラブルが学級会の議題になり、クラス全員でそのトラブルについて話し合いが行われ、なんとなく相手が加害者で、私が被害者のような雰囲気になり、相手の子が「ゴメンね」「いいよ」みたいな感じで、このトラブルは解決したような記憶があります。まぁ相手の子も私も、その後、中学を卒業するまで9年間同じ学校にも居ましたし、特に仲良くはなりませんでしたが、今の時代の“トラブル”とはレベルが違う話なのでご安心くださいね。で、問題はここから。図らずもクラスメイトの同情をかってしまった私は、調子に乗ったのか、みんなに優しくされたもんで、少し明るい性格になり、引っ込み思案が直っちゃったんですね。それと同時に小さい頃から習っていたピアノが注目され、いわゆるクラスで1〜2人いる、音楽会や合唱大会で伴奏する子になったのです。すると、得意な気持ちに輪をかけて、自由に弾いて良かった音楽室のピアノで、休み時間の度に鼻高々で曲を弾いてみせたりしていました。
 さて、後編では調子に乗った私がしでかした、お調子者ならではのエピソードをご紹介します。お楽しみに!

 
★次回更新は、4月27日(水)更新予定です。




岸谷 香
1996年5月31日、武道館公演をもってプリンセス プリンセスを解散。
1996年結婚。1997年奥居香ソロとしてシングル「ハッピーマン」を発売し、ソロ活動をスタートさせ、アルバム「shout」「香」をリリース。
2001年子供を授かったことをきっかけに岸谷香に改名。その後13年間は育児を中心とする生活が続いた。2012年、東日本大震災復興支援の為、16年振りにプリンセス プリンセスを一年限定で再結成。
2014 年ソロの活動を本格的に新たにスタート。
2015年6月24日シングル「DREAM」を発売、 2016年5月、10年ぶりのオリジナルアルバム「PIECE of BRIGHT」リリースし、「KAORI PARADISE」と題し、ひとり弾き語りライブを実施。
2018年1月にはガールズバンドプロジェクトを立ち上げ、バンドサウンドでのミニアルバム「Unlock the girls」をリリース。
2019年3月豊洲PITにて4回目になった、東日本大震災復興支援ライブ「The Unforgettable days」を実施。
4月からはレギュラーラジオNHK-FM「岸谷香Unlock the heart」がスタート。
2020年2月には岸谷香感謝祭と題しゲストを迎えてのコラボライブを毎年実施。4月からは、ニッポン放送「オールナイトニッポンMUSIC10」(第四水曜)がスタート。
2021年2月ミニアルバム「Unlock the girls3-STAY BLUE-」をリリース。「岸谷香感謝祭2021」を開催、7月からはひとり弾き語りツアー「KAORI PARADISE2021」、12月はビルボード東京、大阪にて年末スペシャルライブを実施。
2022年は2月恒例の「岸谷香感謝祭2022」開催、5月からは3年ぶりになるバンドライブ55th SHOUT!ツアーが予定されている。
お知らせ
レギュラー
・ラジオNHK-FM「岸谷香Unlock the heart」
毎週金曜23:00〜スタート
・ニッポン放送「オールナイトニッポンMUSIC10」
毎月第四水曜日22:00~スタート
LIVE情報
【Kaori Kishitani 2022 Live Tour 55th SHOUT!】
■2022年5月21日(土) 
名古屋ボトムライン  
開場 17:30 / 開演 18:00
<問合せ>サンデーフォークプロモーション 052-320-9100(10:00-18:00)
■2022年5月22日(日) 
大阪BIGCAT    
開場 16:45 / 開演 17:30
<問合せ>キョードーインフォメーション 0570-200-888(10:00-18:00)
■2022年5月28日(土) 
宮城・仙台Rensa      
開場 16:30 / 開演 17:00
<問合せ> GIP 0570-01-9999(24時間自動音声案内)
■2022年5月29日(日) 
東京EX THEATER ROPPONGI
開場 16:45 / 開演 17:30
<問合せ> DISK GARAGE 050-5533-0888(平日12:00-19:00)
■2022年6月4日(土)  
沖縄ライブハウスモッズ  
開場 17:30 / 開演 18:00
<問合せ> PM AGENCY 098-898-1331(平日10:00-18:00)
 
※チケット全席指定 7,700円(税込・入場時ドリンク代別途必要)
※沖縄公演のみオールスタンディング、整理番号順入場
※3歳以上チケット必要
<一般発売> 2022年2月26日(土)10:00~
【ARABAKI ROCK FEST.22 MICHINOKU PEACE SESSION】L ARABAKI TRICERATOPS"25th ANNIVERSARY-DINOSAUR ROCK'N ROLL ARABAKI SESSION-
◼︎4月30日(土) @ARABAKI ROCK FEST. 22 みちのくステージ
◼︎出演:TRICERATOPS
◼︎GUEST: 岸谷香/宮崎朝子(SHISHAMO)/田中和将(GRAPEVINE)/藤巻亮太and more…
◼︎みちのく公園北地区 エコキャンプみちのく
◼︎公式サイトhttps://arabaki.com/
【佐藤竹善 Presents Cross your fingers 22 ~Club Vibes~】
◼︎日時=2022年5月4日(水・祝)
  1st OPEN 14:00 / START 14:30 
  2nd OPEN 17:30 / START 18:00 
◼︎会場=ビルボードライブ大阪
◼︎出演=佐藤竹善 /塩谷哲/大儀見元
【ゲスト出演者】
<5月4日 (水祝)>川崎鷹也 /岸谷香 /Skoop On Somebody
◼︎料金
指定席【前売 11,000円 当日 12,000円 】(税込)
※本公演では、フード・ドリンクのサービスはございません
BOXシート(ペア席)【前売 22,000円 当日 24,000円 】(税込)
※販売終了の為、取り扱いございません
◼︎お問い合わせ=ソーゴー大阪 06-6344-3326
【sugarbeans感謝祭 〜つぶあんこしあんトレビアン大集結!〜】
日時:2022年7月28日(木)18:00 OPEN 19:00 START
会場: LIQUIDROOM
チケット料金:前売り \6,500(1ドリンク別)
問い合わせ先:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
(出演者第二弾発表)
岸谷香/堂島孝平/中田裕二/けんいち/大森靖子/riko/吉澤嘉代子/Tommy & Sammy ほか
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(出演者第一弾発表)
設楽博臣(Guitar)/千ヶ崎学(Bass)/張替智広(Drums)/伊沢麻未(Chorus) /湯本淳希(Trumpet)/中村尚平(Saxophone)/sugarbeans 
●一般発売<先着> 4/23(土)AM10:00
チケットぴあ:0570-02-999

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