<新型コロナ>少女のSOS急増「望まぬ妊娠したかも」

2020年5月15日 16時00分

「望まない10代の妊娠を防ぐには大人や社会の支えが必要」と訴える染矢明日香さん=ピルコン提供

 新型コロナウイルスの感染拡大が長期化する中、望まない妊娠をした少女らを支援する団体などへの相談件数が急増している。支援者らは、学校の休校やアルバイトの収入減で居場所を失うなど生活が変化し、性の知識が十分でないことから無防備な行為が広がっているとして「十代の妊娠が増え続ける恐れがある。対策が必要だ」と訴える。 (竹谷直子)

女性の相談を24時間、受け付けている「小さないのちのドア」=神戸市で

 思いがけない妊娠や出産に悩む女性から二十四時間、相談を受け付けている神戸市の一般社団法人「小さないのちのドア」。普段は新規の十代の対応件数は月十件ほどというが、休校措置が取られた三~四月の二カ月間では、計約百件と急増した。
 「妊娠したかもしれない」「アルバイト収入が減って援助交際を始めたけど、避妊できているか心配」との声が続々と届き、施設長の西尾和子(よりこ)さん(37)は「北海道から沖縄まで全国から相談が寄せられている」と話す。
 西尾さんによると、相談してくる女性たちの様子から、「コロナ禍で社会に広がっている不安」を感じるという。援助交際に収入を求めるなど深刻なケースもあるが、「全体的にストレスがたまっている。衝動に走る男の子や満たされたいと思う女の子が、心のぬくもりを求め合っているのではないか」と話す。

西尾和子さん=いずれも小さないのちのドア提供

 青少年の性教育など啓発活動に取り組むNPO法人「ピルコン」(東京都)にも、十代からの相談が月平均五十件だったのに対し、三~四月は計約二百件と倍増している。
 ピルコン理事長の染矢明日香さん(34)は、このままでは十代の妊娠が増えていくとの見方を示し、「十代というと、本人を責める意見もあるが、虐待などで居場所をなくし、逃げ場を性行為に見つけている子もいる。大人や社会の支えが必要」と指摘する。
 西尾さんも「危機的状況だ」と強調。日本の性教育を問題視し、「本質的な性教育がなされず、避妊方法を間違っているケースもある。生きていくための教育と捉え、家庭でも子どもたちと『赤ちゃんができたら』『人生にとって何が大事か』を話し合ってほしい」と話した。
 ピルコンでは、初診でも電話・オンライン・遠隔診療が可能な婦人科の一覧をホームページで公開している。性交から七十二時間以内に服用が必要な「緊急避妊薬」の処方については、各医療機関に問い合わせが必要。

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