2日おきに封鎖と解除…「ゼロコロナ」に振り回される中国国民 感染は高止まり、病院や市民生活に混乱

2022年3月27日 20時18分
新型コロナウイルスの検査を受ける男性=25日、中国・広州で(AP)

新型コロナウイルスの検査を受ける男性=25日、中国・広州で(AP)

 【北京=白山泉】中国で新型コロナウイルスの新規感染者が増え続け、徹底した移動制限と検査で感染を抑え込む「ゼロコロナ」政策が正念場を迎えている。コロナ対策における「共産党と社会主義の優位性」を宣伝してきたため、感染力の高い変異株オミクロン株が出現しても大きな方針転換ができないまま。各国が「ウィズコロナ」に舵を切る中、「ゼロコロナ」を貫徹しようとする中国の現場は混乱に陥っている。
 全国人民代表大会が閉幕した3月11日以降、中国国内では感染が急拡大しており、26日の新規感染者(無症状含む)は5550人。18日には2人が死亡し、中国では昨年1月以来の死者となった。
 それでも習近平国家主席は17日の共産党の会合で「中国経済とコロナ対策は今も世界をリードしている」との認識を改めて強調。「最小の代価で最大の効果を上げよ」と指示し、「ゼロコロナ」を継続する方針を示した。
 上海では全市の封鎖を避けるため、感染者が出た地区に絞って封鎖する手法を採用。しかし、感染拡大に伴って封鎖地区も増加し、「2日おきに封鎖と解除が繰り返され、解除された隙に出勤する」(上海市民)など混乱が広がっている。
 中国メディアによると、封鎖地区の人が持病の治療を受けるのに必要以上に時間がかかっている。病院側がコロナ対策を厳格にしているため、ぜんそくの発作を起こした看護師が勤務先の病院にも受け入れを拒まれた末、治療を受けられず死亡した。
 広東省深圳では感染者がいない状況でも居住区の封鎖が続き、怒った住民がデモを行う姿が会員制交流サイト(SNS)に投稿された。SNSでは他に「経済的な圧力が強いのに仕事にも出られない。鬱や情緒不安定の人が相次いでいる」などの不満も多く投稿されている。上海では封鎖された居住区のマンションから老人が飛び降りる事案なども出ている。

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