地元で生前整理を手伝いたい 伊東商業高卒業生 大道未来耀さんが起業

2022年3月28日 08時02分

生前整理や遺品整理などを行う会社を設立した大道さん=伊東市で

 大切なものは次につなぎたい−。伊東商業高校(伊東市)の卒業生、大道未来耀(だいどうみきあ)さん(22)が昨年十月、同市八幡野に生前整理や遺品整理を中心に請け負うリサイクル会社「オールコネクト」を立ち上げた。高齢化が進む地域課題に着目し、生前からの終活を推奨。大道さんは「セカンドライフ前に身軽になるお手伝いをできれば」と意気込む。(山中正義)
 生前整理や遺品整理、引っ越し前の不用品買い取りなどを行い、買い取った品物をインターネットで販売している。伊豆半島を中心に活動し、現在は月二十件程度の依頼を受けている。
 大道さんによると、市内では高齢者の単身世帯が増え、遺品整理が遺族の負担になっている。「不用品の買い取り依頼が多く、ネットリサイクルショップみたいだけど、生前整理を広めるのが目標」と決意は揺るがない。
 大道さんは高校時代、ビジネスプランを作る選択授業「生活に役立つ経済学」を受講。東伊豆町のテングサ漁を応援しようと、テングサを生地に練り込んだクッキーを商品化するプランを考えた。日本政策金融公庫主催の第五回高校生ビジネスプラン・グランプリに応募し、伊東商業としては現在も最高の「ベスト20」入賞に貢献した。
 授業は地元の課題解決をテーマにしていたが、当初は問題を見つけることができなかった。しかし「考えるようになって見えてきた。意識が大事で、どうにかしたいと思うと情報量が増えた」と振り返る。
 授業での経験もあり、卒業時には「いつか何かできたらやってみたい」と考えるように。ただ、起業への不安があり、漠然と考えることにとどまっていた。卒業後は、地元の税理士事務所に就職。その後、リサイクルショップへ転職した。
 リサイクル品の買い取り訪問をする中で、遺品整理の現場に立ち会い、遺品の処分に困る人たちを見てきた。持ち主が大切にしていた「価値あるもの」が捨てられている現状を知り「自分にできそうなことが見えた」。
 高校時代の恩師が「群を抜いていた」と感じるほどの行動力が強み。遺品査定士など必要な資格を取得し、起業にこぎ着けた。生活に役立つ経済学を受講した生徒としては初めての起業家となった。
 授業を担当した米山圭一郎教諭は「地元で起業する卒業生が出たことは誇りで、すごくうれしい」と喜ぶ。大道さんの母昌代さん(44)は「何でも自分でできる子に育った」と息子の成長に目を細めながら「まだまだ大人の社会では一年生。これからの積み重ねが大事」と応援する。
 大道さんは「生前整理して必要なものと不用品をしっかり分けて、大切なものは次につなげていきたい。そうした意識を広められたら」と話している。

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