ウクライナ、コロナ…揺れる世界に映画の光 「肌の色、言葉違っても同じ人間」「ドライブ・マイ・カー」濱口竜介監督【動画あり】

2022年3月28日 21時20分
 【ロサンゼルス=杉藤貴浩】肌の色も言葉も違うけど、同じ人間なんだ―。「ドライブ・マイ・カー」で米アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した濱口竜介監督(43)は、受賞後の記者会見で作品が世界で認められた喜びを語った。喪失と再生への希望を描くその物語は、ロシアのウクライナ侵攻などに揺れる世界にひと筋の光を示した。

27日、オスカー像を手に受賞を喜ぶ(左から)霧島れいかさん、濱口竜介監督、西島秀俊さん、岡田将生さん=米ロサンゼルスで、杉藤貴浩撮影

 授賞式では興奮した面持ちで出演者の名前を一人一人呼び、感謝の気持ちを表現した濱口監督。式典後の会見では「候補入りするだけですごいこと。受賞できるとは思っていなかった。(オスカー像は)重かった」と新鮮な思いを口にし、自作が呼ばれた瞬間は「端的に言って『マジか』という気持ちだった。(壇上からの光景は)視野が狭くなってあまり覚えていない」と緊張感を振り返った。
 表情が締まったのは、米国をはじめ世界で受容されたことに触れた時。「肌の色も言葉も違うけど、同じ弱さを抱えていたりする人間なんだということを観客に受け止めてもらったのではないか」と自己分析し、映画の力を強調した。

◆スピルバーグ監督から「この映画がとても好きだ」

 式前日の会見でも、ウクライナ情勢に思いを寄せて「緊急事態みたいなものが終わった時に、効果を発揮するのが文化や一つ一つの映画。そのベースとなる日常で誰かを愛したり大切にしたい」と言及。コロナ禍などにも重なった中、「愛している人を失って、それでも生きていかなくてはならない時に、一体どうすればいいのかという物語が響いた」との受け止めも語っていた。
 授賞式でのスピーチを振り返って「今回学んだのは『サンキュー』と言うと終わらせられること」と笑いを誘った濱口監督。会場で巨匠スティーブン・スピルバーグ監督から「この映画がとても好きだ」と祝福されたことも明かした。
 会見には主演の西島秀俊さんや共演の岡田将生さん、霧島れいかさんも同席。西島さんは「国とか言葉を越えてみなさんの心に深く響いた。とても幸せ」と話した。

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