河井前法相を立件へ 検察、案里氏巡り買収容疑

2020年5月13日 02時00分

河井克行前法相

 自民党の河井案里(あんり)参院議員(46)=広島選挙区=が初当選した昨年七月の参院選を巡り、検察当局が、案里氏の夫の克行前法相(57)=自民、衆院広島3区=が票の取りまとめを依頼する趣旨で地元議員らに現金を渡した疑いがあるとして、克行氏を公選法違反(買収)容疑で立件する方針を固めたことが、関係者への取材で分かった。
 案里氏陣営の公選法違反事件は、法務行政の元トップが刑事責任を問われる事態に発展する見通しとなった。案里氏の公選法違反容疑での立件の可否についても、慎重に検討しているとみられる。
 関係者によると、検察当局は今月上旬に複数回、東京都内で河井夫妻を任意で事情聴取。現金の提供の有無について、克行氏は「答えられない」と説明したという。
 案里氏側には公示前、党本部から一億五千万円が提供されている。検察当局は、克行氏が広島県議や広島市議、地元首長らに少なくとも総額数百万円配ったとみている。
 克行氏が地盤とする安芸太田町の小坂真治前町長は本紙の電話取材に、克行氏から昨年四月ごろ、現金二十万円入りの封筒を受け取ったことを認めている。
 広島地検は、参院選で車上運動員に違法報酬を支払ったとする公選法違反事件を捜査する傍ら、東京地検特捜部などの検事を応援で集め、地方議員らの事情聴取や関係先の家宅捜索を重ねるなど現金買収疑惑の捜査も進めてきた。
 昨年の参院選を巡り、自民党は広島選挙区で二議席独占を狙い、現職だった溝手顕正(みぞてけんせい)元国家公安委員長と案里氏を公認。溝手氏は落選した。
 克行氏は広島県出身。県議を経て一九九六年の衆院選で初当選し、現在七期目。法務副大臣や首相補佐官などを歴任し、昨年九月に法相に任命されたが、案里氏陣営の公選法違反疑惑が発覚し、翌月辞任した。
<河井陣営の公選法違反事件> 昨夏参院選で河井案里参院議員の陣営が車上運動員に違法報酬を支払った疑惑が報じられ、夫の克行氏が昨年10月に法相を辞任した。広島地検は今年3月、案里氏の公設秘書らを逮捕、起訴。その後、克行氏が地元議員らに現金を配った疑惑を集中的に捜査している。夫妻はいずれの疑惑も詳細な説明をしていない。地検は案里氏の公設秘書は連座制の対象として、迅速に審理する「百日裁判」を広島地裁に申し立てた。禁錮以上の刑が確定すれば、案里氏が失職する可能性がある。

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