<新型コロナ>抗原検査キット承認 患者負担なし 保険適用へ

2020年5月13日 02時00分
 厚生労働省は十三日、新型コロナウイルスの抗原検査簡易キットを承認した。PCR検査よりも精度が低いが、鼻の奥の粘液などに含まれるウイルスを十五~三十分で検出できるため医療現場での判定も可能。中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)が同日、公的医療保険の適用を決める。厚労省は抗原検査に伴う医療機関の診療報酬を六千円とし、医師が感染を疑った場合は患者の自己負担をなしとする方針を固めた。
 日付が十三日に変わったことで自動的に承認された。検査の迅速化や件数増加などの態勢拡充につながる。
 また治療薬として特例承認され、重症患者に投与される「レムデシビル」の医療機関向け配布は十一日に始まった。
 検査簡易キットの承認は、臨床検査薬メーカー「富士レビオ」(東京)が四月に申請していた。
 抗原検査は当面、感染防止策が取られた医療機関で、熱やせきなどの症状がある人に行う。緊急を要する状態で病院に運ばれてきた人の検査や、医療機関や高齢者施設内での感染者調査といった使い方を想定している。
 配布を始めたレムデシビルについて、加藤勝信厚生労働相は十二日の閣議後記者会見で、米製薬会社ギリアド・サイエンシズから提供された量を契約上の理由で明らかにしないと表明。医療機関を通じて消費量や必要量を把握、管理すると説明した。

◆PCRより精度欠く

 Q 抗原検査って何?
 A 検査には、ウイルス自体を見つける方法と、体の中に入ってきたウイルスと闘った痕跡を見つける方法があります。抗原検査はPCR検査と同じく、ウイルス自体を見つける方法。一方、闘った痕跡を見つける方法が抗体検査です。
 Q PCR検査とはどう違うの?
 A 新型コロナウイルスは遺伝物質やタンパク質、脂質でできています。新型コロナ特有の遺伝物質を見つける方法がPCR検査、タンパク質を見つける方法が抗原検査です。
 Q PCR検査だけではだめなの?
 A 感染とは鼻や口から入ってきたウイルスが粘膜にひっつき、体の中で複製されてどんどん増えることです。PCR検査では鼻の奥から粘液を採り、専用の機器で感染の有無を調べますが四~六時間かかります。機器が近くにないと検体(粘液)を検査機関に運ばなくてはならず、さらに時間がかかります。
 抗原検査も鼻の奥から粘液を採りますが、機器ではなく試薬によってその場で診断できます。陽性は十五分、陰性は三十分という短さです。インフルエンザの検査でも広く使われている方法です。
 Q そんなに早いならみんな抗原検査にすればいいんじゃない?
 A そうとも言えません。PCR検査より精度が落ちるため、感染していても陰性と判定してしまうことがあります。厚労省は、陽性と出た場合は陽性と確定できるが、陰性と確定させるにはPCR検査などを追加で行う必要があるとしています。ただPCR検査も完全なものではなく、感染の初期段階ではウイルスが少なくて検出できず、陰性と出てしまう可能性はあります。
 新型コロナのPCR検査は日本で一日数千件行われていますが、感染拡大で「検査が受けにくい」との声があります。抗原検査は週二十万件できるそうです。発熱などの症状がある人はウイルスの量が多いとみられるので、抗原検査が普及すれば感染を早く確認できるでしょう。厚労省も「検査の効率化につながる」と期待しています。 (森川清志)

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