<#ウォッチ 検察庁法改正案>定年延長問題ツイッター投稿  あふれる抗議#900万件

2020年5月13日 02時00分
 検察幹部の定年を政府が延長できるようにする、検察庁法改正案への抗議の声が止まらない。会員制交流サイト(SNS)のツイッターでは九日以降、「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグ(検索目印)を付けた投稿が相次ぎ、類似のハッシュタグも含めて十二日夕時点で九百万件前後に及んでいる。 (梅野光春、神谷円香)
 八日夜に最初に投稿を始めたとされるのは東京都内の三十代の女性会社員。「政府が気に入らない人は、罪がなくても裁かれるということが起きる予感」がして、反射的にツイートをしたという。
 アカウントは家族や友達は知らない、フェミニスト仲間との連絡用。仲間に伝われば、と思ったハッシュタグはまたたく間に広がった。「今は政治が私たちを監視している感じがして。私たちが政治を監視する、動かすんだ、と思い出してほしい」と訴える。
 この投稿を受け、著名人の投稿も相次いだ。人気バンド「いきものがかり」の水野良樹さんや、歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさん(後に投稿を消去)、演出家の宮本亜門さんらも声を上げた。十二日も類似のハッシュタグが、ツイッター上の注目度を表す「トレンド」で国内トップとなった。
 「件数がどんどん増えるのを見て『これはステイホームデモだ』と思った」。自身も投稿したタレントのラサール石井さんは、電話取材にこう話す。「誰もが習った『三権分立』の力関係がおかしくなる法改正。外出自粛中で国会前に集まるわけにいかないけど、みんな自宅でスマートフォンを見ているし、簡単に投稿できるから、広がったと思う」
 これまで集団的自衛権の行使を容認する安全保障法制に街頭デモなどで反対してきた「明日の自由を守る若手弁護士の会」の早田由布子事務局長は「安保法制や共謀罪など、安倍政権が進めてきた政策への不満が少しずつたまっていたことの表れ。SNSにとどまらず、国会内の動きにつなげられれば」と話す。
 ニュースサイト編集者の中川淳一郎さんは「リベラルな著名人に加え、きゃりーぱみゅぱみゅさんや、水野良樹さんらが投稿したのは意外だった。芸能人が政治に口を出してもいいという風潮ができたのかもしれない。こうした広がりが、普段は政治的な投稿に関心のない層にも響いたのではないか」とみている。
 改正案では、検事長などの幹部ポストに六十三歳で退く役職定年制を導入。しかし政府が認めれば最長で三年間、その役職にとどまれる特例も盛り込み、「政権に都合のいい幹部を残すなど、検察の独立性を脅かす可能性がある」と指摘されている。

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