狙われるZoom 迷惑行為相次ぐ ビデオ会議アプリの情報保護に不安

2020年5月12日 02時00分

米新興企業「ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ」のビデオ会議システム=同社提供・共同

 新型コロナウイルス感染拡大でビデオ会議アプリの利用が広がるなか、米企業が展開する「Zoom(ズーム)」で、日本国内でも迷惑行為が相次いでいる。情報セキュリティー上の欠陥も見つかり、海外では利用を禁止する動きも出ている。

■画面に書き込み

 「画面に外国語が書かれている」
 香川大の新入生が異変に気付いたのは、四月十七日のズームを利用した経済学部ガイダンスが始まる数分前だった。
 新入生約二百七十人のほとんどがログインする中、突然外国人が現れ、人種差別を意味するフランス語を書き込んだ。その後、わいせつ動画が流れたところで教授がアプリを強制終了させた。
 同様の迷惑行為は四月三日、東京大経済学部の授業でも起きた。
 東大は会議に使う場合はパスワードを設定し、大学のメールアドレス以外でログインできないようにするなどの措置を利用者に求めた。香川大はパスワードを設定していたが、誰かがIDとともに漏えいさせたとみている。
 こうした被害は、企業間で使われる会議や、友人同士で会話を楽しむ場でも出ているという。

■不十分な暗号化

 ズームは日本人の利用者に向けた文書で、新規参加者は主催者が許可するまで「待機室」にいるよう設定し、第三者が侵入した場合も画面が共有されないように対策を取れば、混乱は起きないと強調した。
 ただ情報セキュリティーの専門家らは、ズームには(1)通信を盗聴しにくくする暗号化が不十分(2)通信が中国国内を経由する可能性がある-など多くの欠陥があると指摘する。海外メディアによると欧米の官庁や企業、台湾政府などが利用禁止にした。
 ズームは暗号化技術を持つ米社を買収するなどして対策を急ぐ。欠陥の多くは四月下旬に出したバージョンで修正されたとしており「最新版にアップデートしてから使ってほしい」と呼び掛けている。
 米調査会社J.D.パワーによると、テレワークでズームを使う日本人は30%で、米マイクロソフトの「スカイプ」や「チームズ」を上回った。専門家は「ズームは人気があるため狙われているが、別の会議アプリでも同じような問題が起きる可能性がある」と警告した。

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