トランスジェンダーのあなたへ「きっと大丈夫だよ」 家族や親友、同僚100人のメッセージ紹介

2022年3月30日 09時49分
 生まれた時の性別とは異なる性を生きるトランスジェンダーのわが子や友人、同僚らに向けた100人のメッセージが、インターネットの情報サイトで紹介されている。当事者らが自分たちの存在を発信する「国際トランスジェンダー可視化の日」(3月31日)に合わせた取り組み。わが子への思いを寄せた東京都内の母親は「子ども本人と、支えてくれた周囲の人に『ありがとう』と伝えたい」と話している。(奥野斐)

◆31日は「可視化の日」

 「カミングアウトしてくれたことで私の見えなかった世界が見えるようになった」
 「死ぬことを選ばないで今日まで生きてくれたこと、心からうれしく思う」
 サイトには「トランスジェンダーのあなたへ」と題し、家族や親友、同僚からのメッセージが並ぶ。サイトを運営し、自身もトランスジェンダーの遠藤まめたさん(35)らが企画した。
 遠藤さんによると、可視化の日は2009年に米国で始まったとされる。トランスジェンダーを巡っては、米国で当事者が殺害された事件にちなむ「追悼の日」(11月20日)がある。これに対し、可視化の日は、当事者らが前向きに存在を発信し、祝う日として、日本でも数年前から知られるようになった。

東京都内の母親が「トランスガールの我が子へ」と題してつづったメッセージ

 この春、中学生になる子どもがトランスジェンダーだという40代の母親は、子どもの小学校生活で直面した困難を振り返り、「トランスガールの我が子へ」と題して「きっと大丈夫だよ」とエールを送った。小学校入学時はスカートでの登校や女子トイレの使用、「さん」と「くん」で呼び分けないことを学校側に求めたが、色よい返事はなかった。だが同級生やその親たちの応援もあり、徐々に学校側の対応も変わったという。

小学1年の時、好きなピンク色を使った服で登校した我が子の写真を手に振り返る母親

 母親は「後に続く子や保護者の希望になれたら」と思いをつづった。「先生の対応一つで、その子の生きづらさが変わる。多様な子どもたちが通いやすい学校づくりを」と訴える。
 社会人口学の研究者らが2019年に大阪市民を対象に行った調査でトランスジェンダーは0.7%となるなど、トランスジェンダー人口は1%に満たないとされる。見た目と戸籍上の性別が違うために学校や職場で困難に直面したり、差別的な扱いや偏見の目を向けられたりすることもある。遠藤さんは「『ここにいる』と伝えることが大事。周りの人たちのメッセージから浮かび上がる、それぞれの人生を感じてほしい」と言葉に力を込めた。

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