反戦デモは「武力攻撃事態」の一歩手前? 防衛省がテロやサイバー攻撃と同一視した行政文書作成 保存期間経過前に廃棄

2022年3月30日 20時43分
防衛省

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 鬼木誠防衛副大臣は30日の衆院外務委員会で、防衛省陸上幕僚監部(陸幕)が武力攻撃に至らないグレーゾーン事態の一例として「反戦デモ」を挙げる行政文書を作成した上、保存期間の経過前に廃棄していたことを明らかにした。デモなどの集会は憲法21条の表現の自由として保障されている。質問した共産党の穀田恵二氏は「テロと同じように敵視するのは極めて重大だ」と追及した。
 問題の行政文書は、陸幕が2020年2月4日に開いた記者向け説明会で配布した「陸上自衛隊の今後の取り組み」と題する資料。自衛隊が警察当局や米軍と連携して対応する事態にテロやサイバー攻撃、特殊部隊による破壊活動などと並んで反戦デモと明記した。
 その場で参加者から不適切だと指摘されたため、「暴徒化したデモ」という用語に修正したが、回収した当初の資料は保存期間が1年と指定されているのに2月5日に廃棄したという。

◆「文書は誤って廃棄。隠蔽ではない」と防衛省

 鬼木氏は、防衛省として一般的なデモをグレーゾーン事態とみなしているわけではないと釈明。内部規則に反して廃棄したのは、文書管理の担当者が「1年未満の保存期間とすることができる資料だと誤った認識を持っていた」と陳謝した。穀田氏は「情報公開で国民に知られることがないよう、隠蔽(いんぺい)したとしか考えられない」と批判した。
 防衛省報道室は本紙の取材に「(行政文書管理の)規定に厳密に照らせば適切ではなかったが、隠蔽するためではなかった」と答えた。(山口哲人)

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