アカデミー賞での平手打ち 賛否にアメリカの格差が反映 高所得、高学歴ほどウィル・スミスさんに否定的

2022年3月31日 18時29分

27日のアカデミー賞発表・授賞式で、クリス・ロックさん(左)を平手打ちするウィル・スミスさん=AP

 【ニューヨーク=杉藤貴浩】米アカデミー賞授賞式で俳優ウィル・スミスさんが賞の発表者を平手打ちした騒動に米国世論が割れている。暴力は許されないとの意見は強いが、妻への侮辱に憤慨したとするスミスさんに対し低所得層ほど高い許容度を示す調査結果も出るなど、経済や教育格差も浮き彫りとなっている。
 「彼は逮捕されるべきだ。舞台に上がって人の顔をたたく権利など誰にもない」。日本でも有名な俳優ジム・キャリーさんは29日、米テレビでスミスさんを批判。アカデミー賞の主催団体も騒動について正式な調査を開始するなど、映画界最大の祭典で発生した暴力を追及する声は強い。
 ただ、各種世論調査では、脱毛症に悩んでいたスミスさんの妻の髪形をからかうような冗談を飛ばしたコメディアンのクリス・ロックさんを責める声も多い。
 米メディアによると、調査機関ブルー・ローズ・リサーチが2000人以上に「どちらがより間違っていたか」をネットアンケートしたところ、52.3%がロックさんと答え、スミスさんの47.7%を上回った。
 内訳では所得層別で大きな違いがあり、年収15万ドル(約1800万円)以上では54.2%がスミスさんと回答したのに対し、2万5000ドル以下では63.4%がロックさんと答えた。高学歴層ほどスミスさんに否定的な傾向も顕著だった。
 スミスさんに対しては、妻の名誉を守ったとする見方もあるが、ジェンダー問題に詳しい有識者は「有害な男らしさだ。守ることは暴力的になることではない」と指摘した。スミスさんは声明でロックさんに謝罪を申し出ている。

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