ナチスに勝った5月9日までにロシアが「勝利宣言」か ウクライナ当局が分析 非人道的行為の加速に懸念

2022年3月31日 19時56分
 ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアが、対ナチス・ドイツ戦勝記念日の5月9日までに「勝利宣言」をするとの観測が強まっている。欧米メディアがウクライナ情報当局の分析として伝えた。ロシアのプーチン大統領は「ネオナチからウクライナを解放する」として侵攻に踏み切っており、戦況が悪化しても幕引きを演出する可能性がある。

昨年5月9日の対独戦勝記念式典で、退役軍人と握手するプーチン大統領(右)=ロシア大統領府公式サイトから

 ウクライナのマリャル国防次官は24日、「ロシア兵は5月9日には『軍事作戦』を終える準備をしている」との予測を公表。「ロシアは占領地の支配を固めるため、住民への非人道的行為を加速させる可能性がある」と付け加えた。
 一方、ロシアメディアによると政治評論家のアッバス・ガリヤモフ氏も「隣国ウクライナで戦闘が続く中で、対独戦を祝うのは誰がみても愚かだ」とし、「戦争は締め切りに追われている」と説明した。
 ロシアでは5月9日がソ連時代を含めて最重要の祝日とされ、プーチン氏が軍事パレードに合わせて「ソ連がナチスから世界を解放した」と演説するのが常だった。今回のウクライナ侵攻でも国内の支持を得るため「ウクライナの政権幹部はネオナチばかり」と根拠のない主張を続けている。
 英メディアのデーリー・メールなどは、対独戦をなぞったプロパガンダ(政治宣伝)でウクライナ侵攻が続く以上、軍事作戦が戦果を得て終わったと演じる必要があると指摘。ウクライナ政府の情報として「プーチン氏は既に5月9日までに『勝利』するよう命じた」との見方を伝えた。
 一方、ロシアの軍事評論家アレクセイ・ムヒン氏は「ロシアが成果を出そうとして、4月末から5月初旬に悲劇的な事態が起きる恐れがある」とし、プーチン政権が「ネオナチの浄化作戦」としてウクライナでの戦闘を激化させる可能性を指摘した。

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