ASEANで割れるウクライナ対応 インドネシアは板挟み、フィリピンも大国に配慮…中国は取り込み図る

2022年3月31日 19時40分
3月30日、ロシアのラブロフ外相と会談した中国の王毅外相。今後、東南アジア各国の外相らとの会談に臨む=AP

3月30日、ロシアのラブロフ外相と会談した中国の王毅外相。今後、東南アジア各国の外相らとの会談に臨む=AP

 【バンコク=岩崎健太朗、北京=坪井千隼】東南アジア各国の外相らが相次いで中国を訪問し、国際情勢について意見交換する。ロシアのウクライナ侵攻を巡り、東南アジア諸国連合(ASEAN)の大半は中立的な態度を維持。中国と欧米で経済制裁などを巡る綱引きが激しさを増す中で、両陣営が参加する国際会議開催を控える国もあり、事態の推移を注視している。
 中国外務省によると、3月31日からインドネシア、タイ、フィリピン外相のほかミャンマー国軍が外相に任命したワナマウンルウィン氏を中国側が招待。王毅国務委員兼外相はインドや中東各国の歴訪で外交攻勢を活発化させており、中立的な国々を取り込みたい思惑がある。
 ウクライナ侵攻以降、ASEANは2度の声明で「深い懸念」や「即時停戦や対話による解決」を表明したが、ロシア非難は控えている。内政不干渉やバランス重視の外交姿勢に加え、武器取引を除き経済的な結び付きが強くないことも背景にある。
 ただ、加盟国間では立場の違いもある。社会主義国のベトナムやラオスは旧ソ連時代から武器調達などでロシアとの関係が深く、国連総会の非難決議を棄権。シンガポールは「国家主権と領土の侵害は、小国にとって危険な前例となる」として唯一、経済制裁に加わった。
 板挟みとなっているのが主要20カ国・地域(G20)会合の今年の議長国で、11月に首脳会合を控えるインドネシアだ。欧米からは「ロシアを排除すべきだ」との意見が上がるが、中国やインド、ブラジルなどは反対し、難しい対応を迫られる。タイもアジア太平洋経済協力会議(APEC)の今年の議長国で、プラユット首相は「慎重に決断する必要がある」と情勢を見極めている。
 中国と領有権争いを抱えるフィリピンのドゥテルテ大統領は「(ウクライナ危機の)影響が波及すれば、米国に軍事施設利用を認める」と力による支配を警戒する一方、「米国とロシアの対立で、米国とともに戦うことはない」と大国に配慮した立ち回りに終始している。

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