キエフ周辺ロシア軍の2割が再配置 ウクライナ東部で戦闘激化、親ロ派勢力がロシア領編入の方針表明

2022年3月31日 21時05分
 【ワシントン=吉田通夫】米国防総省のカービー報道官は30日の記者会見で、ウクライナの首都キエフ周辺に展開したロシア軍の20%弱が北のベラルーシ方面に「再配置を開始した」と明らかにした。ただ「部隊の大部分はまだ残っている」と指摘し、砲撃や空爆が続いて「キエフは依然として大きな脅威にさらされている」と述べた。
 カービー氏は、ロシア軍の一部がすでにロシアの友好国ベラルーシに入ったと述べた。「ロシアが本当に緊張緩和を目指すなら帰国させるべきだが、現時点ではそうしていない」として「ここで再編し、補給し、ウクライナの別の場所に展開する可能性がある」と指摘。国防総省も「撤退」とは判断していない。

爆撃を受けたキエフの市街地を歩く兵士=AP

 カービー氏はロシアの民間軍事会社ワグネルの雇い兵約1000人が東部ドンバス地域に投入されたと説明。「プーチン氏がドンバスへの攻撃を強化したい意向を反映している」と述べた。
 ロシアは雇い兵を市街戦に投入し自国の正規兵の犠牲を減らす意図とみられる。現地報道によるとドンバス地域のマリウポリ攻略にはロシア南部チェチェン共和国の民兵らも参加する。
 ウクライナ政府によると、ロシアとの停戦交渉はオンライン形式で4月1日に再開する予定。ロシア軍はまた侵攻初日の2月24日に占拠した北部チェルノブイリ原発から撤収を始めたもようだが、戦闘は各地で続いている。
 ロシアの独立系メディア、メドゥーザによると東部ドニプロペトロフスク州では31日、ロシア軍のミサイル攻撃で政府庁舎が破壊され、2人が死亡。東部の中核都市ハリコフでは侵攻後の砲撃で、15%の建物が損壊している。
 一方、ドンバス地域のドネツク州の一部を実効支配する親ロ派勢力の自称「ドネツク人民共和国」の幹部はロシア領への編入を目指す方針を表明。ドンバスのルガンスク州の親ロ派「ルガンスク人民共和国」も同様の意向を示しており、混乱が広がる恐れがある。

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