首相、参院選控え「まん延防止」再適用に慎重 感染増加傾向でも「マスク」など従来の対策呼び掛け

2022年3月31日 21時18分
衆院本会議に出席した岸田首相

衆院本会議に出席した岸田首相

 新型コロナウイルスの新規感染者が増加傾向の中、岸田政権は3月21日に解除したまん延防止等重点措置の再適用に慎重な姿勢を示している。夏の参院選に向け、経済・社会活動の本格的な再開を目指して重点措置を解除したばかりで、再びブレーキを踏むのは避けたいためだ。ただ、感染拡大防止に有効な手だてが見つからない中、政府はマスク着用など従来の対策の継続を呼び掛けざるを得ないのが実情だ。
 岸田文雄首相は重点措置の解除を表明した3月16日の記者会見で「第6波の出口ははっきり見えてきた」と強調した。だが、解除から1週間で感染者の減少が鈍り、ここ数日は「1週間の平均は増加傾向になっている」(松野博一官房長官)。オミクロン株の亜型「BA.2」が流行し始め、第6波が収まりきらないままリバウンド(感染再拡大)しかねない状況だ。
 菅義偉前首相は昨年3月に緊急事態宣言を解除したものの、翌4月から東京都などで重点措置、その後、緊急事態宣言に追い込まれた。コロナ対策の不備が退陣の一因とされる。
 首相は参院選を見据え、第6波の感染状況が沈静化し切っていない中、社会・経済活動との両立のために先の重点措置を解除した。原油や物価高で経済の先行きが見通せない中、景気に冷や水を浴びせる重点措置再適用は慎重に見極めている段階だ。首相周辺は「危機感がないわけではないが、まだ重点措置を検討する状況ではない」と話す。
 31日の衆院本会議で野党から対策を急ぐよう求められた首相は「第6波対応で準備した医療体制を堅持しながら強化する」と、これまでに発表した対策を説明するにとどめた。
 松野氏は同日の会見で、感染を抑え込むための有効な対策を問われ「マスク着用、手洗い、換気など基本的な感染防止策の徹底を」と従来の対策を重ねて呼び掛けた。(山口哲人、曽田晋太郎)

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