<コロナ緊急事態>就活生も「三重苦」採用減、学業との両立困難、お金もない… 企業はウェブ面接導入加速

2020年5月7日 12時20分
 新型コロナウイルス感染拡大の影響は、来春卒業予定の学生の就職活動にも及んでいる。採用中止や規模の縮小をする企業もあり、採用日程の延期で学業との両立を心配する声も上がる。アルバイトができず、上京する交通費がないという学生も。一方、企業側は対面の採用活動をやめ、ウェブ面接を導入するなどの動きが加速している。(奥野斐)
 「採用減、学業との両立への不安、お金がない―の三重苦です」。首都圏での就職も考えている京都女子大四年の村上真緒さん(21)は嘆いた。
 四月に予定していた十社以上の面接が延期に。一月にエントリーした大手企業からは三月半ばに突然、「新卒採用を行わない」とのメールが届いた。最近、就職情報サイトから情報が削除される企業も目立つ。
 週に三~四回入っていた飲食店のアルバイトは三月は二回だけ。四月中旬からは店が休業になり、八万円ほどあった収入はゼロになった。「就活が再開されても、上京するお金がない。面接の日程が集中し、ゼミや卒論で受けられない企業も増えそうだ。内定は出るのか」と不安が尽きない。
 リクルートキャリアが三月末に企業の人事担当者を対象に実施した調査では、八割以上が来春卒業予定者の採用活動を「見直す」と回答した。全体的に採用スケジュールを後ろ倒しする傾向があるという。
 一方で、既に再来年卒業予定の三年生を対象にインターンシップ(就業体験)を募集している企業もある。村上さんは「まずは来春の採用に時間とお金をかけてほしい。私たちの雇用を守って」と訴える。

パソコンやスマートフォンを使って行うウェブ面接のイメージ=ZENKIGEN提供

 企業側も、対面での採用活動ができない事態に、オンライン面接の導入など対応に追われている。
 ウェブ面接の仕組みを提供する「ZENKIGEN(ゼンキゲン、東京都千代田区)」によると、「至急導入したい」という企業が爆発的に増えている。
 同社の仕組みを使うと、選考は、学生が自分のスマートフォンなどで撮影した動画を企業側に投稿する方法と、パソコンなどの画面上でリアルタイムで面接官と学生が話し、面接ができる方法がある。最短三日で導入できるという。担当の清水邑さんは「今、この状況下で対面面接だけの企業には、選考を辞退する学生も出てきている。企業の倫理観も見られている」と話す。

パソコンを使い、在宅で採用活動をするサイバーエージェントの人事担当者=同社提供

 新型コロナ対応で、IT企業「サイバーエージェント」は四月から、採用過程全てをオンラインに切り替えた。人事担当者も在宅でパソコンなどを使い、面接をしている。
 同社の担当者は「対面では入退室のマナーや動きから学生の緊張感やストレス耐性などが分かるが、画面越しでは判断できない部分もある。ただ、学生のウェブスキルなど新たな点も見られる。採用側の見極める力がより求められる」と話した。

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