<新型コロナ>子ども食堂9割休止 半数は食材配布、宅配に NPO調査

2020年5月6日 02時00分
 子どもたちに無料や低額で食事を提供する「子ども食堂」の活動状況を、NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」(東京)が四月に全国調査したところ、回答した二百三十一カ所の九割に当たる二百八カ所が食堂を休止し、うち約半数の百七カ所は弁当や食材の配布・宅配に切り替えていることが分かった。
 新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛要請や緊急事態宣言の影響で支援の輪が途切れかけている実態が明らかになった。一方で「困窮世帯が増えている」との指摘もあり、各食堂は支援を続ける方法を模索している。
 調査は四月十三~十七日に実施。二十三カ所が回数を減らすなどしながら食堂を続け、八十九カ所は活動全体を取りやめている。
 「現在困っていること」を尋ねると「会場が使用できない」が五十七カ所で最多。公民館などの公共施設を利用する食堂が多く、感染拡大の影響で利用できなくなっているとみられる。ほかに「食材などの不安」(四十八カ所)「感染拡大への恐怖」(二十八カ所)が続いた。自由記述では「感染拡大で人が集まることに近隣の視線が厳しい」「高齢スタッフへの感染の不安から活動を縮小した」などの声が寄せられた。
 むすびえは四月二十四日、全国の施設の代表者ら二百人以上が参加したオンライン会議を実施。理事長の湯浅誠東大特任教授は「生活困窮者や高齢者を孤立させてはいけない。地域と連携して新型コロナの危機に対処しつつ、子どもたちの明日を開いていきたい」と訴えた。
 むすびえは、子ども食堂を開いたり、食料を配布したりする際に取るべき感染症対策をまとめたハンドブックを五月中にも作成し、配布するという。

◆増える困窮者「危機的状況」

 「仕事をなくしたシングルマザーや高齢者など、初めて訪れる人が増え始めている。危機的な状況」。東京都八王子市の子ども食堂十八カ所で構成するネットワークの事務局を務める一般社団法人「フードバンク八王子」の川久保美紀子さんは、新型コロナウイルスの感染拡大による深刻な影響を説明した。
 十八カ所は現在、全て食堂を休止。代わりに九カ所で月一回程度、食料の配布を続けている。「四月以降は困窮世帯が増え、支援の必要性が高まっている」と指摘する。解雇や雇い止めで収入源を失った世帯が増えている実感があるという。
 食料配布では子どもだけでも食べられるパンやお菓子のほか、野菜や調味料なども配っている。子ども連れの女性に配布した際は「生活に余裕がない。本当に助かる」と感謝された。
 子ども食堂は本来なら一人一人から詳しく話を聞き、行政の支援などにつなげるところだが、現在は配布時に少し言葉を交わすのが精いっぱいという。
 しかし、食堂再開は関係者の間でも意見が分かれる。ボランティア中心のスタッフも感染のリスクがあり、発症すれば仕事にも影響する。一方で「せっかく地域になじんできたのに、人が離れてしまう」と休止の長期化を懸念する声も上がる。
 川久保さんは「今は再開は難しい。こういうときこそ十分な支援が必要なのに。もどかしい」と打ち明けた。

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