キーウ州で400人以上の遺体確認 氷山の一角か ロシアの戦争犯罪立証へ検視開始 

2022年4月4日 19時56分
ロシアの攻撃で破壊されたキーウ近郊ブチャの街路(AP)

ロシアの攻撃で破壊されたキーウ近郊ブチャの街路(AP)

 ウクライナがロシア軍から奪還した北部キーウ(キエフ)州ブチャなどで多数の市民の遺体が見つかったことを受け、ウクライナのゼレンスキー大統領は3日、「ジェノサイド(集団虐殺)だ」と非難した。ベネディクトワ検事総長も3日、ロシアの戦争犯罪を立証するために検視を始めたと表明。ロシア政府は現地の状況を「フェイク」として殺害を否定しているが、欧米などは制裁強化に向けロシア批判を強めている。
 ベネディクトワ氏によるとキーウ州では410人の遺体を運び出し、既に140体の検視を行った。遺体が地中に埋められて隠されているケースもあり、全容解明には時間がかかるとみられる。クレバ外相も国際刑事裁判所(ICC)に調査を行うよう要請した。
 ゼレンスキー氏は3日、同州の被害について「ロシアはウクライナと国民を抹殺しようとしている」と米CBSニュースを通じて非難。ブチャなどでの戦争犯罪は国連で議論されるとの見通しを示した。
 ブチャ市当局はこれまでに280人を集団埋葬したとしていたが、現地メディア、ウクライナ・プラウダは4日、福祉当局の情報として遺体は330〜340人に上ると報じた。
 国連のグテレス事務総長は3日、「ブチャで死んだ市民の映像に深い衝撃を受けている」との声明を出した。欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表も4日の声明で「追加制裁を準備する」と表明。フランスのマクロン大統領は同日のラジオ番組で、考えられる制裁措置として原油や石炭の禁輸に言及した。
 一方、ロシア捜査委員会は4日、遺体が散乱するブチャの映像について「偽情報と挑発」として「捏造ねつぞうした情報を拡散した関係者」を摘発する意向を示した。
 ロシア国防省はキーウ周辺から撤収した部隊を再編成し、東部ドンバス地域への攻撃をさらに強化する構え。ウクライナメディアによると、東部ハリコフでは3日、ロシア軍の砲撃で7人が死亡、子どもを含む34人が負傷した。

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