「ロシア軍の兵士はオークみたいだ…」キーウで暮らす人は今...<ウクライナからの声>

2022年4月5日 19時01分

 ロシア軍によるウクライナ侵攻から1カ月余り。激戦地となった首都キーウ(キエフ)北西ブチャで多くの市民が虐殺された凄惨せいさんな映像に衝撃を受けた。頭をよぎったのは、ウクライナ国境のポーランドで取材した避難民らをつてに連絡を取っていたウクライナ国内の人たちの安否だ。4日、キーウ中心部に住むイベント企画業アレクサンダー・コトリアーさん(28)に真っ先に電話をかけた。数回鳴らすと、いつもの元気な声で電話口に出てくれた。(聞き手:カイロ支局・蜘手美鶴)

3月、ロシア軍の攻撃で破壊されたキーウ市内(アレクサンダーさん提供)

 「数日前から、ロシア兵がキーウ近郊から姿を消した。占領されていた(キーウ北西の)イルピンやブチャも解放されたと聞いた。ブチャの写真は見た?住民が後ろ手に縛られて殺され、そこら中に遺体があった。ロシア軍の兵士は、映画『ロード・オブ・ザ・リング』に出てくるオーク(怪物)みたいだ。同じ人間が、あんな残虐なことができるなんて信じられない…」

3月、ロシア軍の攻撃で破壊されたキーウ市内(アレクサンダーさん提供)

 キーウ市内の様子はどうなっているのだろうか。攻撃は続いているのか、食べ物はちゃんと手に入るのだろうか…。

 「キーウでは最近は爆撃はほとんどない。1日に1回、爆発音が聞こえるぐらい。2週間ぐらい前は1日10回ぐらい聞こえていたから、そのころに比べるとだいぶ状況は落ち着いている」

3月、ロシア軍の攻撃で破壊されたキーウ市内(アレクサンダーさん提供)

 「昨日は天気が悪くて寒かったから、街に人通りもほとんどなかった。今日は少し暖かくなって、女性や子どもの姿も見かける。市内ではいろんな援助団体などが支援物資を配ってくれているから、食べ物や水、衣料品には困ることはない。誰がこの物資を持ってきてくれたのか知らないが、心から感謝している。明日、食料などの物資をイルピンやブチャに届けてこようと思う」

 だいぶ状況が落ち着いているようで安心した。コトリアーさんの妻と娘は3月8日にポーランドに避難した。徴兵の可能性がある男性はウクライナ国外に出られないため、彼は今、父、叔父、愛犬と暮らしている。父の車を使い、キーウから避難する人をポーランド国境まで送るボランティアもやっていると聞いた。家族は元気にしているのだろうか。


アレクサンダーさん一家。妻と娘はポーランドに避難している(アレクサンダーさん提供)


 「みんな元気だ。ポーランドの妻と娘も大丈夫。ウクライナはこれからどうなると思う?もうすぐ戦闘が終わり、必ず勝つと信じている」
 ◇ 
 ロシア軍から連日激しい攻撃を受けるウクライナ。ロシア兵が撤退した地域もあれば、依然として爆撃が続く地域もある。人々は国内でどう過ごし、何を思っているのか。ウクライナに住む人たちの声を随時伝えていく。
 ◇
 ウクライナの首都は、これまでロシア語読みの「キエフ」と表記していましたが、今後はウクライナ語の発音に近い「キーウ」に変更します。ロシアによる侵攻で命を奪われている人々が求める表記とします。

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