ブチャを上回る数の遺体発見、キーウ近郊ボロディアンカ ロシア軍の戦争犯罪への非難強まる

2022年4月5日 20時15分
 ウクライナのベネディクトワ検事総長は4日、ロシア軍から奪還した首都キーウ(キエフ)郊外にあるキーウ州ボロディアンカで、多数の民間人殺害が確認された同州ブチャを上回る遺体が見つかったと発表した。ゼレンスキー大統領は「解放された地域で多くの遺体が残されている」と述べ、犠牲者数が拡大するとの見通しを示した。ウクライナメディアが伝えたもので、民間人殺害をロシア軍による「戦争犯罪」と非難する国際圧力が強まっている。

キーウ近郊のブチャで視察するゼレンスキー大統領(AP)

 新たに多数の遺体が見つかったウクライナのキーウ州ボロディアンカは、同州ブチャの北西25キロにあり人口は約1万2000人。ゼレンスキー大統領は同州を4日に視察した後、ビデオ声明で「犠牲者数は増えるだろう。ロシアは犯罪の責任を負わねばならない」と語った。
 クレバ外相も、判明分の被害は「氷山の一角にすぎない」と指摘、犠牲者の司法解剖を行い、国際刑事裁判所(ICC)などに現地調査を求める考えを示した。検察はこれまでに410体の遺体を運び出し、検視を通じて死亡状況などの証拠保全を進めている。

◆ロシア軍 南東部への攻撃激化か 支援物資搬入も妨害

 ロシア軍は部隊を再編成し、東部ドンバス地域に兵力を振り向ける構えで、南東部の港湾都市マリウポリなどへの攻撃が激化する恐れが出ている。ロシア軍は5日、黒海から巡航ミサイルでウクライナ各地の軍事インフラを攻撃したと発表した。
 ゼレンスキー氏によるとウクライナとロシアの停戦交渉を仲介しているトルコ政府は、船を使ってマリウポリから住民を救出する案を提示している。ウクライナ政府は実現可能か協議する方針だ。
 マリウポリの市当局によると、市内には侵攻前の人口の4分の1に相当する10万人余が取り残され、ロシア軍や親ロ派武装勢力がマリウポリへの支援物資搬入を妨げている。5日には「人道回廊」として一部の住民が退避する見通し。
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 ウクライナの首都は、これまでロシア語読みの「キエフ」と表記していましたが、今後はウクライナ語の発音に近い「キーウ」に変更します。ロシアによる侵攻で命を奪われている人々が求める表記とします。

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