「桃太郎」は宝でなく姫を連れ帰り?寝てばかりの怠け者? 千葉の中学生が115話を読み比べ研究、本出版へ

2022年4月6日 12時00分
 昔話「桃太郎」は嫁取り話なのか?—そんな疑問から全国各地に伝わる桃太郎のストーリーの違いを調べた千葉県袖ケ浦市立昭和中学校3年の倉持よつばさん(14)が、2021年度の「図書館を使った調べる学習コンクール」(図書館振興財団主催)中学生の部で、最高の文部科学大臣賞に輝いた。倉持さんは「コロナ禍で図書館にも通えない時期があったが、2年間調べた集大成。完成できてうれしい」と笑顔を見せる。(山本哲正)

各地に伝わる桃太郎を比較分析し、調べ学習の全国コンクールで2度目の最高賞に輝いた倉持よつばさん=千葉県袖ケ浦市で

 全国各地で伝わる桃太郎の話にはバリエーションがあり、生まれ方一つ取っても、巾着やたんすに入った桃から生まれた桃太郎もいれば、桃を食べて若返ったおじいさんとおばあさんの子という設定もある。
 普通の桃太郎は鬼ケ島で鬼を退治し、宝物を持ち帰る。しかし、中には、宝ではなく、お姫様を連れ帰る桃太郎もいることに倉持さんは興味を持った。市の中央図書館の司書に依頼し、国立国会図書館や他県の図書館に所蔵される桃太郎の本を取り寄せるなどして115話を調べてみると、妻を求めて結婚するケースが3話あった。
 倉持さんは「昔話は口伝えで伝わったため、地域によっていろいろな話になった」「子どもに聞かせる話になってからその部分(求婚)は削除され、鬼から財宝を取り返す結末になった」などと推論。A4判50㌻にまとめた「嫁取り噺(ばなし)『桃太郎』〜全国の伝承昔話『桃太郎』を読み比べる〜」を完成させた。
 出版社も倉持さんの研究に注目し、5月上旬にも本の形で新日本出版社から刊行されるという。
 他にも興味深かったのは、東北地方では力持ち、中国四国地方では怠け者で寝てばかりの桃太郎がいたこと。「その地域にもともとあった英雄型の話などと、桃太郎の話が結びついたのでは」と倉持さんはみている。

調べ学習の全国コンクールで2度目の最優秀賞に輝いた倉持さん

 実は、倉持さんが桃太郎で同賞を受賞するのは、これで2回目。小学5年生の時は「桃太郎は盗人なのか?〜『桃太郎』から考える鬼の正体〜」のテーマで考察。鬼はそれほど悪ではなかったという結論を導いたこの研究も、19年に本となって出版された。
 倉持さんは「2度も素晴らしい賞をいただいた。次のテーマは決まっていないが、今後も調べ学習を続けていきたい」と話している。

◆わかったこと

・東北地方は箱や、戸棚から生まれるものが多い
・中国地方では桃や、もとから生まれているものが多い
・婆(ばば)が若返って桃太郎が生まれたのは香川県と埼玉県しかない
・近畿地方と九州地方はお話が少ない
・新潟県にはキジの卵から生まれる雉(きじ)の子太郎がいた
・桃ではなく、人形が流れてきたり、捨ててあった子どもを拾ったり、桃が全く関係ない話もあった
・柿の種を植える話もあり、カニのあだ討ち型の話だった

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