「気圧波」で津波到達時刻を予想 トンガ噴火を教訓に気象庁が運用変更

2022年4月7日 11時00分
気象庁

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 気象庁は7日、大規模火山噴火に伴い津波が想定される際には、津波に先行して大気中を伝わる「気圧波(ラム波)」と呼ばれる波動の速度から到達時刻を予想し、発表するよう運用を改めた。
 今年1月の南太平洋・トンガ沖の海底火山噴火で、地震による津波と起き方が異なるため津波警報などの発表が遅れたことを教訓に、津波発生のメカニズムを調べ、運用改善に至った。
 この間の暫定的な措置では、3月8日の南太平洋・パプアニューギニアの火山噴火直後、津波が発生した場合の日本への到達予想時刻を「不明」として注意を呼びかけていた。今後は、日本列島の中で最も早く到達する地域名と予想時刻を明示する。
 ラム波は音速(秒速約340メートル)に近いスピード(秒速300メートル程度)で大気中を伝わり、気圧の変化として気圧計で観測される。波高20メートルの大津波で3万6000人の犠牲者が出た1883年のクラカタウ島(インドネシア)の巨大噴火など、大規模な火山噴火時にはラム波が発生することが知られている。
 気象庁によると、1月15日のトンガ沖の噴火に伴い、大気中で発生したラム波が鹿児島県奄美市に到達したのは、同日午後8時24分ごろ。津波の第1波は同9時前に奄美市に到達し、同日深夜に1.34メートルの最大波を観測した。
 津波発生のメカニズムを分析した気象庁の勉強会で座長を務める佐竹健治・東京大地震研究所教授は「ラム波が海面を揺すって(日本各地の津波の)原因となったことは間違いない」「ラム波が(先に)来て、その後、潮位変化が起きた」と説明。地形の影響など他の要因も重なり、潮位変化が増幅したとみられる。
 津波は太平洋沿岸の諸国と、大西洋側のカリブ海周辺でも観測。関東地方では千葉県館山市で50センチ、神奈川県三浦市で40センチ、東京港の晴海でも17センチの潮位変化が観測された。(宇佐見昭彦)

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