「私の心はこの壊れたビルみたい」ハリコフの写真、撮り続けて<ウクライナからの声>【写真特集】

2022年4月8日 19時00分

 ウクライナ東部ハリコフで6日から7日にかけ、ロシア軍による攻撃などが50回近く集中した。「ロシア軍が何をしたか、最後まで記録に残す」と市内に留まる写真家クリスティーナ・パシュキナさん(32)の安否が気になり、8日に連絡を取ってみた。クリスティーナさんは「私は大丈夫。ありがとう」と、自身の撮った写真を交えながら、市内の様子を伝えてくれた。(聞き手:カイロ支局・蜘手美鶴)

 「ハリコフも暖かくなってきて、ついに春がやってきたと感じる。空爆が激しくて危ない地域ももちろんあるけど、カフェも開いて、コーヒーやサンドイッチも買えるようになった。スーパーも開いている。街のがれきが片付けられて、散らばっていたガラスの破片もなくなった。でも、まだ爆撃は続いている。特に夜が激しい。静かだと思っていたら、急に空爆が始まるときもある」

避難シェルターとなっているハリコフの地下鉄駅(4月1日撮影、クリスティーナさん提供)

 「今でも地下鉄駅で避難生活を送っている人はいる。家が破壊された人たちもそこにいる。地下鉄がある街でよかった。最も安全なシェルターだと思う。やっぱり、一番怖いのは戦闘機。爆撃を知らせる警報が携帯電話のアプリから流れるたび、私も急いで地下に逃げている」

クリスティーナさんが「私の心のようだ」という壊れたビル(クリスティーナさん提供)

 「これは4日に私が撮ったハリコフ市内の写真。この日は天気が良くて、空がきれいだった。でも、私の心の中はこの壊れたビルみたい。特にブチャで起きた虐殺の写真を見た後だから、余計に気分が沈んでいた」

4月4日、春めいてきたハリコフ(クリスティーナさん提供)

 写真家のクリスティーナさんは大学教授でもある。オンラインで写真の授業を受け持ち、生徒は国内外にいるという。今も市中心部「自由の広場」近くに住み、壊れた街の写真を撮り続ける理由を聞いた。

 「破壊された街を撮り続けているのは、ロシアの犯罪を記録に残すため。そして、それを世界に伝えるため。ロシアはウソをつき続けている。そして一部では、ロシアの言い分が本当だと信じている人もいる。そんなことは耐えられない。世界中の全ての人が、ウクライナで何が起きているのか知るべきだと思う。私は自分が撮った写真を発信し続けていく。すでにフランスやポーランド、日本では私の写真が見られている」

クリスティーナ・パシュキナさん(本人提供)

 「この戦争でウクライナが勝利したとき、私は撮りためた写真を使って何か企画をやってみたい。ウクライナの未来についての企画。傷ついた街に花が咲くような、そんな企画にしたい」

▶次ページ:【写真特集】ハリコフに生きる人々の姿、春めく街並み、破壊の跡
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