<新型コロナ>結婚式、挙げられない 延期・中止 カップル「仕方ない」

2020年4月23日 16時00分

東京都の休業要請対象外だが、5月6日まで結婚式の実施を取りやめている式場=東京都内で(一部画像処理)

 新型コロナウイルスの感染拡大で、結婚式に影響が出ている。参列者らの感染を防ぐため、延期や中止を決めるカップルが続出。式場には、キャンセル料や日程変更の問い合わせが絶えない。結婚式場は東京都による休業要請を受けなかったが、業界からは「この状況で、式を挙げられるわけがない」と困惑する声も上がる。 (天田優里)
 「八十歳の祖母も呼んでいて、不安だったので…」。荒川区の自営業の女性(32)は、五月二日に港区で予定していた結婚式を延期した。昨年十一月に会社員の夫と婚姻届を提出し、式には家族や友人ら約六十人を招くはずだった。既に招待状を発送していたが、三月下旬に延期を決めた。「新しい日取りはまだ決まっていない。そもそもいつ収まるのか」とこぼす。
 感染予防のため、女性は夫との別居も余儀なくされている。他県にある夫の会社は東京からの通勤を心配し、夫のために会社近くのマンションを仮住まいとして用意した。「結婚半年で『週末婚』状態。仕方ないですね…」
 業界も苦しい。式場は、緊急事態宣言に伴う都の休業要請の対象外。都の担当者は「結婚式は人生の大きなイベントであり、生活に欠かせない部分の一つとして対象から外した。適切な感染防止対策をした上で実施してほしい」とする。
 だが、多数が会食する披露宴などで安全面に不安もあることから、結婚式の実施を自粛している運営会社は少なくない。八日から五月六日まで自粛を決めた都内の式場では、三月の挙式件数は昨年と比べ三割ほど。男性責任者(44)によると、延期するカップルが大半で、日程変更のキャンセル料は取っていない。
 都の対応に、この責任者は「お客さまの命を預かることになるのに(対象外は)あり得ない」と憤る。現在は社員四百人のうち、出勤は十~二十人。行政による支援は頼りにならず、「終息するまで待っていたら会社がつぶれてしまう」と危機感を募らせ、レストランの料理のテークアウトなど新規事業を検討中という。
 全国六十三の式場を運営する「テイクアンドギヴ・ニーズ」(品川区)も五月六日まで式を見合わせた。担当者によると、中止するカップルもいるが、大多数は延期を希望しており、日程を調整しているという。
 公益社団法人日本ブライダル文化振興協会(中央区)によると、三月以降、結婚式の数は減少傾向にある。野田兼義・専務理事は「客も企業も先が見通せず、予測もできない。キャンセル料を取らないと回っていかない会社もあり、葛藤しているだろう」と話した。

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