辺野古、国が設計変更申請 軟弱地盤 県は認めない方針

2020年4月22日 02時00分
 防衛省は二十一日、米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設先、名護市辺野古(へのこ)沿岸部の埋め立て海域東側にある軟弱地盤の改良工事のため、公有水面埋立法に基づく設計変更を県に申請した。県の承認が必要だが、玉城デニー知事は認めない方針。政府と県の対立は新たな段階に入った。
 玉城氏は同日の記者会見で「県民に十分な説明をしないまま埋め立て工事の手続きを一方的に進め、到底納得できない」と批判した。
 河野太郎防衛相は会見で、申請に関し「十分検討された内容だ。移設工事を着実に進めることが、普天間飛行場の一日も早い返還の実現につながる。引き続き地元に説明したい」と強調。防衛省は改良工事を巡り、有識者会議で工法など技術的な課題について議論を重ねた。有識者から一定の理解が得られたとして申請の準備が整ったと判断した。
 防衛省は昨年十二月、軟弱地盤に対応するため、工期を当初想定の五年から約九年三カ月に延ばす計画見直し案を発表。事業完了に必要な期間は約十二年となり、普天間飛行場の返還は日米合意の「二二年度またはその後」から、三〇年代以降にずれ込む見通しだ。
 総工費は当初計画額の約二・七倍となる約九千三百億円で、見積もりでは埋め立て関連費だけで約七千二百二十五億円に上り、このうち軟弱地盤の関連費は一千億円を見込む。

<解説>不都合な事実を無視

 たとえ巨大な基地建設を脅かすリスクであっても、不都合な真実には目をつぶる。設計変更に当たっても国は「辺野古ありき」の姿勢を崩さなかった。
 防衛省が「非常に固い」としてきた地盤から、実際は複数の「軟弱」なデータが検出されていたことが、今年に入り相次ぎ判明した。自ら調査を発注しながら、軟弱なデータを不採用とした防衛省からは「業者が独断でやった」という説明まで飛び出した。データを都合よくつまみ食いしていると言われても仕方ない。
 「工事を続ければ護岸崩壊の恐れがある」として再調査を求める声が強まる。再調査すれば安全性がはっきりするにもかかわらず、頑(かたく)なに応じない防衛省の対応は説明がつかない。軟弱地盤の改良工事により、米軍普天間飛行場の移設は二〇三〇年代へと大きくずれこむため、「危険を一日も早く取り除く」という移設の根拠は失われたと言っても過言ではない。
 沖縄の民意は基地建設に何度も「ノー」を示しており、県は設計変更を認めない構えだ。軟弱データの疑問に答えぬまま、なぜ辺野古に固執するのか。説明を果たさない国の姿勢は、県とのあつれきを深めるだけだ。 (中沢誠)

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