パパはイライラ、ママは悲鳴 テレワークもつらいヨ 

2020年4月22日 02時00分

「テレカン」に臨む男性

 通勤の苦労から解放されて、テレワークに切り替えた人も多い昨今。同僚や上司の目を気にせず、マイペースで働けるのは魅力的に見えるが、快適なばかりではなさそう。一方、一日中家にパパがいる家族も、ストレスを抱えているようで…。 (荘加卓嗣、浅野有紀)

◆「集中できない」 2歳児とマウス取り合い

 中央区のメーカー営業の会社員男性(45)は、今月から初めてのテレワークを行っている。WEB会議用のアプリを入手し、マイク付きのヘッドセットを購入。取引先や社内のテレカンファレンス(会議)、略して「テレカン」をこなすが、「相手宅のドアホンやペットの鳴き声が聞こえて生活感がある」と笑う。
 テレワークの広がりは、関連商品の売り上げを見ると如実だ。家電大手「ビックカメラ」によると、WEBカメラは二、三月の売り上げが前年同期の四倍、ヘッドセットは二・五倍の伸び。急激な増加の要因について広報担当者は「やはり外出自粛要請によるテレワークで使うためだと思われる」と分析する。

ヘッドセットなどが並ぶ家電量販店のテレワークコーナー(3月撮影)

 緊急事態宣言で、さらに拡大しているテレワークだが、この会社員は「集中できない」という難しい面もあるという。「初めは新鮮だけど、これが一カ月も続くと思うとウンザリする」と、ぼやく。
 勤務先に感染者が出て、二月末からテレワークになった中央区の会社員男性(47)も、なじめずにいる一人。「(会議の音声の)ノイズがひどい時がある」と、環境上の問題を指摘。さらに「二歳の長男がミニカーに見立てたパソコンのマウスを奪おうとしてきて、落ち着いて仕事ができない」と自宅で発生した思わぬ“バトル”を明かす。
 外出自粛要請前からテレワークを試みていたフリーランスの男性(46)は「移動などのロスがないのは良いが、楽でもない。自分でコントロールしないと、二時間の間に三十分のテレカンが四本入ったりする」と働き方の難しさを指摘。「やはり対面でないといけない仕事もあり、まさにデジタルとアナログの切り分けは必要なのかもしれない」と話す。

◆働くパパ預かります!

 夫がテレワークになり、神経をすり減らしている-。そんな母親たちの声を受け、北区の子育てママ応援サロン「ほっこり~の」は、パパ向け臨時シェアオフィスを始めた。代表の内海千津子さん(49)は「ママもパパも前向きに、ストレスを乗り切ってほしい」と話す。

代表の内海千津子さん

 ほっこり~のは、北区十条、同区志茂、埼玉県蕨市にサロンがあるが、四月から休業中。「こんな時こそ支援が必要だが、赤ちゃんの命が最優先」と苦渋の決断だった。代わりに電話相談「ほっこりホットライン」を開設、平日午前十時半~午後一時半、十条店にスタッフが常駐し、子育ての不安を受け止めている。
 小学三年生の長女と、生後間もない次女がいる北区の四十代の主婦も、夫が自宅勤務に。父親と遊びたがる長女を抑えるが、夫は機嫌が悪いと長女にきつく当たることもある。仕事が終わったかと思い、泣き続ける次女の抱っこを頼むと「仕事中だから」と断られ、「今はコロナのせいだと我慢してるけど、いつ爆発するか…」。
 テレワーク中の夫が「子どもを静かにさせろ」と怒鳴るという人や、電話がつながった瞬間に泣き出す人も。そこで、志茂店をパパ用オフィスとして貸し出すことにした。一日四人まで個室が利用でき、電源やWi-Fi、別料金でプリンターもある。祝日を除く火~木曜の午前十時~午後四時、六時間で三千円。

「ほっこり~の」が提供する臨時オフィスでテレワークする男性

 利用した近くに住む印刷業の男性(43)は、「子どもが仕事の電話中も寄ってきて、つい怒ってしまう時もあるが、ここなら集中できる」と話した。
 ほっこりホットラインと、オフィス利用の申し込みは=03(6326)5903=へ。ほっこり~のは、収入源のイベントが相次いで中止になり、クラウドファンディングサイト「Readyfor(レディフォー)」で運営資金を募っている。

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