<ぱらぱらじっくり 教育に新聞を>小4、1年間の学習の軌跡 点がつながり、線になる

2022年4月12日 07時38分

タブレットを使った授業で児童に指導する浦部教諭=横浜市青葉区の市立荏子田小学校で

 点と点がつながり、線になる。「Connecting the dots.」は、アップルの最高経営責任者(CEO)を務めたスティーブ・ジョブズ氏のスピーチでも使われたフレーズです。
 この考え方は「新聞との向き合い方」にも通ずると思います。私がNIE教育を実践するにあたって最も心掛けているのは、「新聞との向き合い方」を考える機会を与えること。本稿では、小学校四年生が一年間を通して、どのように新聞と向き合ってきたのかを紹介します。
 年度当初を振り返ってみましょう。子どもたちは新聞を手に取ると、記事の内容を理解しようと読んでいました。理解したら「なるほど。そういうことね」と満足げに次の記事を読み始めます。一方で教室の片隅に目をやると、一つの記事について、テレビ番組で紹介されていたことを引用しながら友達と話し合っている様子も見られました。
 このように、子どもたちの「新聞との向き合い方」は大きく二つのタイプに分けられます。点で捉えるタイプと、点と点をつなぎ線で捉えるタイプです。学級のほとんどの児童は前者のタイプでした。
 「記事についての自分の考えを書いてごらん」と投げかけてみると、「すごいと思った。いいなと思った」のように表面的な感想にとどまりがちであることが実態として見えてきました。
 冒頭の「点と点がつながり、線になる」。これが物事を深く捉える鍵となるのだと確信したのです。
 そこで、東京新聞電子版の活用を試みました。このデジタル新聞サービスには、過去記事アーカイブの機能があり、キーワード検索を行うことで過去五年間さかのぼって関係する記事を閲覧することができます。
 子どもたちは関連情報に簡単にアクセスできるようになりました。点と点が線になり次第に物事を面として捉えられるようになったのです。その蓄積がさらに学びを深める新たなZ軸となり、学級全体が新聞を通して立体的な学びの場となっていきました。
 ある子どもの声を紹介します。「私は障害のある人が作品を展示するのは彼らの自信になると思う。私はフラを習っているが、調べてみれば障害のある人も踊っていた。元気づけられるのは私たちもそうだ。パワーがあるすてきな絵、作者の込めた気持ち。絵からはこれらが伝わってくる。(中略)そして、過去の話では、日中韓、イラン、オランダの五カ国でもパラアートのイベントが行われていた。世界もパラアートに支えられていると思うと本当にすごいと思う」(横浜市公立小学校教諭 浦部文也)

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