<新型コロナ>文化芸術「今すぐ支援を」 アーティストら8割が減収

2020年4月16日 02時00分
 感染拡大で、文化芸術活動への影響も深刻になっている。東京都内のコンサルティング会社ケイスリーが今月上旬に文化芸術活動の関係者らに実施した緊急調査では、84%が「活動ができない」、82%が「収入が低下している」と回答。さらに96%が「行政からの金銭的支援が足りない」と答えた。同社の落合千華取締役は「中長期的には日本の文化の存続が危ぶまれる事態。外出自粛で精神面の健康悪化が懸念される中、文化の力が必要。官民が提携した支援策につなげたい」と話す。
 調査では俳優、演奏家、美術家や、制作スタッフらを中心に三千三百五十七件の回答があった。七割近くがフリーランスで「感染よりも食べていけず死んでしまう不安の方が大きい」(文化団体の非正規職員)、「五月まで全予定がキャンセルされ、無職・無収入。家賃も払えない」(音楽家)などの声が寄せられた。
 アンケート公表とあわせ、十五日にオンライン上で記者会見が開催された。コンサルタント梅沢高明さんは「文化が生まれるのは演劇なら小劇場、映画はミニシアター、音楽だと小さなライブハウス。若い世代や実験性の高い内容を発表できる場になっているが、いまや大半が廃業の危機を迎えている」と指摘。DJのナズクリスさんは「緊急事態宣言が出る前から九割のライブが中止になった。DJやアーティストは転職せざるを得ず、今後は文化を発信できなくなる」と危機感をあらわにした。
 ドイツでは「芸術家や文化施設は生命維持に必要」と文化相が表明し、連邦政府が個人で最大九千ユーロ(約百五万円)を迅速に受け取れる制度や減税策などを発表した。一方、日本では緊急経済対策に盛り込まれた文化芸術分野の支援も、「文化施設再開に向けた感染症対策」などが主で、収入減や休業への損失補償はない。政府は今月七日、小規模・自営業者への給付金制度を発表したが「とても足りない」との声が上がっている。 (出田阿生)

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