AV出演強要は「問題ある契約」のみ全年齢で取り消し可能 18、19歳の取り消し権は断念 支援団体は「被害救済できない」

2022年4月13日 21時22分
 成人年齢引き下げに伴う18、19歳の若者を狙ったアダルトビデオ(AV)出演強要問題に関し、自民、公明の与党は13日、プロジェクトチーム(PT)を発足させ、全年齢を対象に「問題のある契約はいつでも取り消し可能にする」との新法創設を目指す方針を固めた。保護者の同意がなければ、契約を解除できる「未成年者取消権」と同等の措置を18、19歳に適用することを検討していたが、法的に難しいと判断した。(佐藤裕介)
 未成年者取消権なら、保護者の同意がないというだけで契約を解除できたが、与党が検討する内容の法律だと、被害者側が「問題のある契約」だったと立証する必要性に迫られる可能性もある。支援団体から批判の声が上がっている。
 PTは立法措置の基本的な考え方として「18、19歳に限らず、全ての年齢について対策を講じる必要がある」とした上で「事業者による出演契約の具体的内容に関する説明義務が果たされない場合など、問題のある出演契約はいつでも取り消しができる」とした。与党は今国会の成立を視野に入れている。
 被害者の救済に当たる支援団体「ぱっぷす」(東京都)の金尻カズナ理事長は本紙の取材に「18、19歳の被害者の多くは社会的に孤立し、悪質業者のコントロール下におかれて正式な契約を結んでいる場合がほとんどだ。契約に瑕疵がなくても取り消せる未成年者取消権と同等の措置が認められなければ、18、19歳の被害者を救済することはできない」と批判した。金尻氏はAV強要問題に関し、成人年齢が20歳から18歳になっても、特例として、18、19歳に未成年者取消権を認めるよう与野党に要望していた。
 未成年者取消権は、未成年者が保護者などの同意を得ずにした契約は、取り消すことができる民法の規定。相手の違法行為を立証しなくても契約を無効にできるため、虚偽の説明や強要などでAVに出演させられる若者が後を絶たない中、若者を守る有力な手段になっていた。今月施行の改正民法による成人年齢引き下げで、18、19歳の取消権が消滅。このため、この年齢を狙った被害拡大が懸念されている。
 「ぱっぷす」によると、AV強要問題は昨年、81件の被害相談があり、うち20件が未成年者の相談だった。

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