「シフト制」休業手当未払い続く 厚労省紛争防止促すも、救済見えず 弁護団発足

2022年4月15日 06時00分
 飲食店のアルバイトのように「シフト制」と呼ばれる働き方の労働者に休業手当が支払われない問題が続いている。厚生労働省は1月、労使の紛争を防ぐための注意点を示したが、実効性は見通せない。新型コロナウイルスの感染拡大で休業が増えるたびに問題となっていることを受け、シフト制の対策弁護団が14日に発足。労働者の支援に乗り出した。(畑間香織)

◆企業側「シフト減は休業ではない」

 シフト制とは、1週間や半月といった一定期間ごとに勤務の日時が決まる働き方。労働基準法は、企業側の都合で労働者を休ませた場合、平均賃金の6割以上の休業手当を支払うよう定めるが、企業側が「シフト減は休業ではない」などとし、シフト制労働者への支払い拒否が相次いだ。

記者会見したシフト制労働対策弁護団の川口智也弁護士(右)ら=14日、東京・霞が関の厚労省で

 2年以上続くコロナ禍を象徴する労働問題ともいわれるが、都内で記者会見した対策弁護団代表の川口智也弁護士は「本来、救済されるべき労働者が今も多くいる」と現状を説明。勤務先を提訴した30代のパート女性も同席し「正社員に休業手当を支払うのにパートにはない。理不尽な働き方が改善されるように声を上げ続けたい」と訴えた。

◆契約書に多い「変動の場合あり」

 支払われない背景には、シフト制の労働日時が契約書で「シフトにより変動の場合あり」と記載されがちなことがある。シフトが減っても、休業手当を支給する前提の休業に当たるかが曖昧で、労働者が手当を求めても企業側が拒否し、司法の場に持ち込まれる事態も起きている。
 厚生労働省は今年1月、労使の紛争を防ぐための注意点を公表した。契約書に「少なくとも毎週月曜日はシフトに入る」と記すなどして、最低限働く日数や時間数を労使で合意しておくことが望ましいとの内容。企業が休業手当を支払う際の根拠になる場合がある、との考え方だ。
 弁護団の藤原朋弘弁護士は厚労省の見解に一定の評価はしつつ、最低限の働く日数や時間を契約で明確化できない事態が想定されるとして、「救えない労働者は出る」と指摘した。

◆法規制働き掛けへ

 弁護団には10人の弁護士が参加。今後、連携する労働組合「首都圏青年ユニオン」のホームページに労使交渉のためのQ&Aを載せるほか、労働者を救済するために政府に法規制を働き掛けていく。
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 弁護団は16日午前11時~午後6時に、無料の電話相談を実施する。連絡先は弁護団=電03(5395)5359=へ。

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