巡洋艦モスクワ沈没「最大級の屈辱」ロシアの作戦修正は必至…兵士の犠牲も拡大

2022年4月15日 20時40分
黒海艦隊巡洋艦モスクワ=2015年12月、シリア沿岸近くの地中海で(AP)

黒海艦隊巡洋艦モスクワ=2015年12月、シリア沿岸近くの地中海で(AP)

 ウクライナ侵攻を続けるロシア軍が、防空システムの要としてきた黒海艦隊巡洋艦モスクワを14日に失った。南部制圧に向けた軍事作戦の修正に迫られるのは必至で、増加の一途をたどる兵士の犠牲と合わせてロシア国内に厭戦えんせんムードが広がる可能性もある。
 モスクワは、ロシア軍が保有する3隻の大型巡洋艦の1隻。搭載する防空ミサイルシステムS300でウクライナ軍の戦闘機や無人機をけん制し、南部一帯での部隊展開を支えてきた。黒海艦隊は、ロシアにとって重要な標的である港湾都市オデッサなどの攻略を目指していた。
 だが独立系メディア、メドゥーザによると、ロシア軍はモスクワを失ったことで、残る部隊をウクライナ軍の攻撃から防ぐ能力が著しく衰える恐れがある。ロシアとウクライナの交戦を理由に、トルコが黒海への軍艦の侵入を制限しているため、ロシアが地中海経由で代替の巡洋艦を派遣することも難しい。
 軍事専門家は、ロシア国民への心理的影響も指摘する。モスクワと同規模の軍艦が沈没するのは、1982年に英国とアルゼンチンが戦ったフォークランド紛争以来とされ、ウクライナメディアのリガ・ネットは「ロシアにとって最大級の屈辱」と評している。
 侵攻以降のロシア軍の被害も甚大とみられる。ウクライナ国防省は15日、ロシア軍の死者が「2万人を突破した」と発表。ロシア側は最新の死者数を1300人余としているが、契約軍人を募るキャンペーンを強化するなど、実際は兵力不足が深刻な可能性が高い。
 こうした状況の中、ロシアの政権与党幹部は15日「軍事作戦は間もなく完了する」と同国メディアに強調。5月9日の対独戦勝記念日に合わせた「勝利宣言」名目で、プーチン大統領が幕引きを図る可能性もありそうだ。

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