温暖化対策「時間がない」…深刻さ伝える気候時計、渋谷に初登場 変化起こす一歩目に

2022年4月16日 06時00分
 地球温暖化対策の国際目標達成に猶予がないことを示す「Climate Clockクライメートクロック(気候時計)」が15日、東京・JR渋谷駅前に設置された。渋谷区内の100カ所に設置し、気候変動への取り組みが「当たり前でかっこいい」とされる文化の創出を目指す。

観光案内所「シブハチボックス」の受付に置かれた気候時計を指さすa(n)actionのメンバーたち=15日、東京都渋谷区で

 同日の残り時間は7年98日。これは対策が進まない場合、温室効果ガスの累積排出量がいつ、世界の平均気温の1.5度上昇を招く水準に達するのかを意味する。1.5度は産業革命前との差で国際目標の上限だ。気候変動の悪影響は既に暑さによる死亡や洪水の被害、農業、漁業など幅広い分野であらわれており、一時的にでも1.5度を超えるとリスクの深刻さが増大する可能性が高い。

◆「気づいたら、動いてくれる」

 設置は高校生、大学生のグループ「a(n)actionアナクション」がインターネットのクラウドファンディング(CF)で約1350万円を集め、実現。1つ目として観光案内所「シブハチボックス」に縦15センチほど、横40センチほどの小型版を置いた。
 今後、CFの資金を活用して、人の目に触れやすい商業施設などに9個ほど設置。さらに、渋谷区観光協会などの協力を得ながら設置費用を出してくれる賛同者を見つけ、数を増やしていく。渋谷の街で遊んでいたら何度も気候時計を見かけるぐらい街中に置くのが目標だ。場所によっては大型のものを置く。
 メンバーの高校生ナイハード海音みおさん(18)は「時計を見て、時間がないって気づいたら、みんな動いてくれる」と期待する。時計に表示したQRコードで見られる特設サイトでは、再生可能エネルギーの電力利用や古着の活用、色んな人と気候変動の話をすることなど、さまざまなアクションを紹介。それらに取り組む「一歩目」として、政府への対策強化の要望にボタン1つで賛同できる画面も設けた。
 温室効果ガスの排出量が大幅に減れば、気候時計の残り時間は増える。排出が多い企業の対策強化も不可欠だ。メンバーの大学生酒井功雄さん(21)は、対策を進める企業の動きがある一方で「消費者が求めないから対策できない」という声もあることを指摘し、「企業に言い訳されないよう、市民が日常的に気候変動の話をする芽を作っていきたい」と語った。
 最新の残り時間や詳しい説明は特設サイトへ。メニューを開いて「Other Actions」を開くとメンバーがお勧めするアクションが見られる。(福岡範行)

おすすめ情報

社会の新着

記事一覧