身近な問題に目を向ける

2022年4月16日 06時51分
 ロシアのウクライナ侵攻による戦火がやみません。一日も早い停戦実現に向けて、日本の新聞として何を訴えるべきか、当論説室内では今週も議論が続きました。
 もう一つ、論説委員が活発に議論したテーマがありました。空き家=写真、栃木県足利市で=を巡る問題です。
 十三日の社説「空き家対策 『先送り』には利点なく」では、「少子高齢化の進展に伴い、空き家が増えている。放置されたままでは景観や防犯、衛生面の問題に加え、災害時には倒壊の恐れもある」と指摘した上で、空き家などに上乗せ課税する条例を成立させた京都市の例を紹介しながら、対策が急務であることを訴えました。
 社説会議で空き家を巡る議論が活発だったのは、実家を親から引き継ぐ年代に達しつつある多くの論説委員にとって、切実な問題であることと無縁ではないでしょう。
 親から実家を相続したものの、勤務の関係で離れた場所に住み、実家が空き家になっている論説委員もいます。
 人が住まない建物は一気に劣化が進みますから、売るなり貸すなりして、空き家を早く解消した方がいいのでしょう。先送りしても資産価値は下がる一方です。しかし、実家の場所によっては売却や賃貸が困難だったりします。
 住宅全体に占める空き家の割合が一割を超えたのも、論説委員が抱えるのと同じ問題を、多くの人が抱えているからにほかなりません。
 論説委員はそれぞれ専門分野の社説を書いていますが、身近で起きる日常の問題に自分を重ねて考え、積極的に論じることを心掛けています。
 日ごろ感じる問題に深く分け入ってこそ、社会が構造的に抱える問題の本質に迫り、解決方法を見つけ出すことができると信じるからです。
 東京新聞は読者の皆さんの「人生のパートナー」になることを宣言しました。私たち論説室も身近な問題を論じることを通じて、パートナーの一員に加えていただけたらと思います。 (と)

関連キーワード


おすすめ情報