<彩 首都圏の四季を訪ねて>天に星 地には花 吉高(よしたか)の大桜(千葉県印西市)

2022年4月17日 07時09分
 本紙夕刊に随時掲載してきた自然風景写真「Nature」シリーズ。タイトルを「彩(いろどり)」として原則毎月第3日曜日に掲載します。首都圏の四季折々の美しい景色を写真記者が紹介します。

菜の花畑の中に立つ「吉高の大桜」。上空には星々が瞬き幻想的な雰囲気に包まれた。10日午前2時31分から同3時52分まで連続で216枚を撮影。星の動きを分かりやすくするため徐々に光跡が薄くなる彗星(すいせい)モードで比較明合成した

 菜の花畑の真ん中、塚の上に枝ぶりの見事なヤマザクラがそびえる。千葉県印西市の「吉高の大桜」は県を代表する一本桜だ。昼間は花見客でにぎわう辺りも、夜はひっそりと静まり返る。暗闇に白くぼうっと浮かぶ小山のような巨木の上空には星々が瞬く。長時間露光で連続撮影すると北極星を中心にぐるり。幻想的な光景が写し出された。
 樹齢三百年以上ともいわれる古木で、高さ十一メートル、枝は最大で直径二十七メートルに広がる。ソメイヨシノより一週間ほど遅く開花。ヤマザクラのため満開状態は三日間ほどしか続かない。淡いピンク色の桜と黄色い菜の花が咲き競う圧巻の景色を逃すまいと、今月九、十日の土日には計三万人(同市経済振興課)の花見客でごった返した。
 「土地を管理する須藤家の祖先が豊作祈願の氏神を代々祭ってきたが、第二次世界大戦中には資材不足から伐採の計画もあったらしい」と保全活動に取り組む「吉高の大桜を守る会」事務局長の内藤幸一さん(66)。二〇一九年の台風19号では直径三十センチにもなる枝が二本折れる被害もあったという。「なるべく手を加えずに自然の姿のまま次の世代に引き継いでいければ」と満開のご神木を見上げながら話していた。
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 文と写真・隈崎稔樹
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