スリランカで経済危機と政情不安拡大 中国依存「債務のワナ」の指摘も

2022年4月17日 22時00分
スリランカのコロンボで、給油のためガソリンスタンドに列をつくるタクシーの運転手ら(AP)

スリランカのコロンボで、給油のためガソリンスタンドに列をつくるタクシーの運転手ら(AP)

 【バンコク=岩崎健太朗、北京=坪井千隼】インド洋の島国スリランカで経済危機と政情不安が拡大している。慢性的な赤字財政に加え新型コロナウイルス禍やウクライナ情勢の影響で、深刻な外貨不足と物価高騰が市民生活を襲う。事実上の債務不履行(デフォルト)に陥り、債権国の中国などに支援を求めているが、中国依存を続けてきたラジャパクサ政権への批判や退陣圧力は強まっている。

◆抗議デモは全土に拡大

 現地メディアなどによると、3月以降、輸入食料品や医薬品、燃料などの不足や停電に市民や野党による抗議デモが全土に拡大。通貨スリランカルピーは年初から対ドルレートで4割近く下落し、食料品は昨年から3割以上値上がりした。政府は12日、国内経済に対処するため対外債務の大半の返済停止を発表し、国際通貨基金(IMF)などとの協議で危機回避を模索している。
 スリランカの対外債務500億ドル(約6兆2500億円)超の約1割が対中債務。中国企業などを介した多額の「隠れ債務」の存在なども指摘され、中国の「債務のワナ」に陥ったとの見方がある。
 中国は、巨大経済圏構想「一帯一路」の要衝として投融資を展開。進出する中国企業の利益につながり、返済不能に陥っても、引き換えにインフラ権益を得て影響力を強めることができるためだ。2017年にはスリランカ南部ハンバントタ港の開発融資の返済が滞り、99年間の港湾運営権が中国側に譲渡された。

◆インドは支援の動き

 スリランカのラジャパクサ大統領は1月、王毅国務委員兼外相との会談で、債務支払期限延長などの返済条件緩和を要請。25億ドル規模の金融支援も求めたとされるが、中国側はこれらの求めに対する具体的言及は避けている。
 一方で、隣国インドは積極的な資金や食料、燃料の支援の動きをみせており、中国の影響力を弱めたい狙いがあるとみられる。

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