買収誘発 地銀再編加速か 株価指標 下位集中

2019年12月31日 02時00分

大納会で、手締めをする日本取引所グループの清田瞭CEO(前列左から2人目)ら=30日午後、東京・日本橋兜町で

 株価の割安度合いを示す指標で上場企業の株価を分析すると、地銀株の低迷が際立つ結果となった。安くなりすぎた株価が、ファンドや別の金融機関の地銀株買収を誘発。これまで動きが鈍かった業界再編につながる可能性がある。 (森本智之)
 「アドバイザーを雇うなどして地銀株の買収に相応の意欲を示しているファンドは国内外にいる。じわじわと動き始めている」。ある金融業界関係者は最近の株式市場の動向を説明する。
 ファンドが注目するのは株価が下がりすぎて「お値打ち」になっている点だ。株価純資産倍率(PBR)のワースト五十社でみても三十八社が地銀だ。外資系ファンドの日本法人幹部も「地銀株がこれほど低いとは驚いた。投資を検討する価値はある」と話す。
 株価が安ければ安いほど同じ金額で大量の株式を購入できる。二〇〇〇年代に「物言う株主」として名をはせた村上ファンドの村上世彰氏も株が割安かどうかを投資判断の物差しにしていた。ファンドは、株価を買い占めて配当を増やすよう要求したり、リストラや合併を促して株価の価値を高め、売り抜けることで「利ざや」を稼げる。
 直近では、複数の地銀株を保有する英国ファンド「シルチェスター・インターナショナル・インベスターズ」が今年四月、滋賀銀行の株の買い増しを報告、保有比率8・51%の筆頭株主になった。滋賀銀行は「コメントは控える」としたが、シルチェスターは株式の大量保有報告書に「資産政策の変更を要求することがある」とした保有目的を記していた。
 島根銀行と福島銀行への出資を相次ぎ発表したネット金融大手のSBIホールディングスは地銀再編による「第四のメガバンク」構想を掲げる。現状では、共同店舗の運営や金融商品の提供などといった業務支援を掲げ、二行以外にも業務・資本提携を呼び掛けている。

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