大納会 東証29年ぶり高値 地銀、安さ指標下位集中

2019年12月31日 02時00分
 今年最後の取引となった大納会の三十日、東京株式市場は日経平均株価(225種)が前年末に比べて三六四一円八五銭高い二万三六五六円六二銭で取引を終えた。一方、資産に対する株価の高低を表す株価純資産倍率(PBR)と呼ばれる指標で上場企業三千七百七十社を比較したところ同日時点で、「ワースト10」を地方銀行が独占した。関東の地銀が四行を占める。業績不振で安くなりすぎた地銀株を買収するファンドが出始めており、貸出先の地域の中小企業の経営に影響が出る可能性もある。 (森本智之、桐山純平)
 PBRは株価が一株当たりの純資産(貸出債権、不動産など資産から負債を引いたもの)の何倍かを示す。PBRの値が小さいほどその企業の株価は割安とされる。ヤフーファイナンスによると、ワースト10に入ったのは千葉興業(千葉市)や新宿区に本店を置く東京きらぼしフィナンシャルグループ(旧東京都民と旧八千代などが統合)など関東の銀行も多い。
 地銀株のPBRが低いのは、日銀の超低金利政策で貸し出し収益が悪化したのが主因。「投資家から収益改善できないとみられている表れ」(マネックス証券の大槻奈那氏)だ。
 だが、株価の安さに目を付け地銀株を積極的に買う金融機関やファンドも出だした。ネット金融大手のSBIホールディングスは今秋、島根銀行と福島銀行への出資を相次ぎ発表。業界再編が加速する兆しがある。再編による店舗のリストラや、貸し出し方針の厳格化などが進めば中小企業の資金繰りに影響がでる可能性がある。
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 東京株式市場は年末の株価としては一九九〇年以来二十九年ぶりの高値を付けた。米中貿易摩擦が重荷だったが米国の利下げや米中協議の進展を受け値上がり基調に転換した。年末比較で上昇したのは二年ぶり。
 東証株価指数(TOPIX)は一一・八二ポイント安の一七二一・三六。出来高は約七億九千六百万株だった。
<PBR> 株価純資産倍率の略。株価を1株当たりの純資産で割って出す指標。ある企業の株価が500円で、1株当たりの純資産が1000円ならPBRの値は0・5倍となる。理論上はPBRが1倍未満だと株主にとって株の価値より、企業を解散させて資産分配してもらう方が得になる。

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