中国の「ゼロコロナ」裏目に 上海などロックダウン、日本経済へ悪影響強まる 世界にも波及の恐れ

2022年4月18日 22時00分

中国・上海市に設けられたコロナの隔離センター=Beibei via AP

 中国国家統計局が18日発表した2022年1~3月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比4.8%増となり、政府の通年目標の「5.5%前後」を下回った。新型コロナウイルスが再拡大し、上海などが都市封鎖(ロックダウン)された影響が出た。厳格な隔離で感染を封じ込める「ゼロコロナ」政策が裏目に出た形で、中国の景気停滞が、日本を含む世界経済に波及する恐れが強まっている。(妹尾聡太、北京・白山泉)

◆オミクロン株で潮目変わる

 3月下旬から都市封鎖が続く上海。人の往来は消え、食料を運ぶ配達員がたまに路上を通り過ぎる程度だ。「自宅から出られず毎日、食料の調達と自炊に精いっぱい。仕事もできない」。上海市民の40代の広告会社経営者は「早くロックダウンを終えてほしい」と嘆いた。
 中国の習近平国家主席は、ゼロコロナ政策で感染を抑え込み「経済とコロナ対策で世界をリードしている」と勝ち誇ってきた。だが感染力の高いオミクロン株の登場後は追跡や隔離が追い付かず「潮目」は変わった。
 野村ホールディングス傘下の野村国際(香港)によると、4月11日時点で移動を制限する中国の都市は計45に達し、約3億7000万人が影響を受けている。清明節の連休(4月3~5日)の航空旅客数は前年同期比で8割減。3月の消費は飲食や自動車販売などが落ち込み、前年同月より3.5%減った。

◆経済正常化には時間必要

 GDPを発表した18日、中国政府はサプライチェーン(供給網)の回復を急ぐよう呼び掛けた。香港紙によると、一部の企業は従業員が感染しないよう工場に住み込んで外部と接触を断ち、生産再開の準備を始めている。だが全ての企業が同様の対策を打てるわけではない。上海の経済関係者は「経済の正常化には時間がかかる」とみる。
 欧米がウイルスとの共存を模索する一方、ゼロコロナに固執する中国。野村国際の陸挺氏は「終わりの見えないゼロコロナは中国経済の不確実性を高め、世界のサプライチェーンに影響を与えかねない」と話す。

◆原材料の輸入が停滞したら…

 実際、中国のゼロコロナが日本経済に及ぼす悪影響は日増しに強まっている。上海に拠点を置く日本企業のうち、複数の電機メーカーが工場の操業を停止。コンビニも休業を余儀なくされている。「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは14日、22年8月期の中国大陸市場の業績について、前期比で減収減益を見込んでいると明らかにした。
 さらに問題となるのが、自動車部品、電子部品、建設資材といった中国製の原材料の輸入が滞ることだ。都市封鎖が続けば、日本国内の生産や消費も冷え込んでしまう。既に4月は三菱自動車が部品供給の不足で岡崎製作所(愛知県岡崎市)の稼働を5日間停止。ホンダも鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)の稼働率を通常より3割減らした。
 みずほリサーチ&テクノロジーズの山本康雄氏は「自動車や電子機器は少しでも部品が不足すると、製品を造れなくなってしまうため、影響を受ける可能性が高い。中国がゼロコロナを続ける限り、リスクは大きいだろう」と指摘した。

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