敵基地の司令部など攻撃能力を保有 防衛費は5年で倍増 自民調査会が国家安保戦略で提言案

2022年4月18日 20時09分
自民党本部

自民党本部

 自民党安全保障調査会は18日の幹部会合で、政府の外交・防衛の長期指針「国家安全保障戦略」など3文書改定に向けた提言案を示した。相手国のミサイル基地だけでなく、意思決定に携わる司令部などの「指揮統制機能」を含めてたたくことができる敵基地攻撃能力の保有を明記。対国内総生産(GDP)比1%程度の防衛費は、5年をめどに2%以上への増額を目指すことも盛り込んだ。
 政府・自民党はロシアによるウクライナ侵攻を受けた東アジア情勢の不安定化もにらみ、防衛力の抜本的な強化に乗り出したい考え。ただ、憲法に基づく専守防衛から逸脱し、軍事大国化を否定する従来の防衛方針と食い違いが生じるなど、安保政策の転換につながる恐れがある。
 敵基地攻撃を巡っては、ミサイルが連続して発射される事態を想定。国民の被害を最小限に抑える目的で、相手国の指揮統制機能も狙える能力を保有する案が示された。攻撃対象がミサイル基地にとどまらないため、敵基地攻撃の名称変更を検討しているが、具体案の説明はなかった。
 防衛費については、日本を取り巻く安全保障環境が悪化する可能性を踏まえ、昨年の衆院選公約に掲げた対GDP比2%以上とする目標を早期に達成すべきだと判断した。2022年度予算には約5兆4000億円を計上しており、5年間でほぼ倍増させる方向だ。
 約3時間半に及んだ会合では、防衛費の増額方針に賛同する意見が相次ぐ一方、達成期限を区切ることには「数字ありきでは国民に誤ったメッセージを与える」(防衛相経験者)といった意見も出た。指揮統制機能も狙える能力保有には「相手に手の内を教える必要はない」と表現内容に異論が噴出し、19日に再度、議論することになった。(川田篤志)

関連キーワード


おすすめ情報

政治の新着

記事一覧