<ぱらぱらじっくり 教育に新聞を>主権者教育でフォーラム 日常で語り合うことから

2022年4月19日 07時32分
 「若者は選挙に関心がないって本当でしょうか。僕のまわり、むちゃくちゃ投票してますよ。アイドルに。オーディション番組は大隆盛です」
 社会学者の鈴木謙介さんがそう切り出すと、政治と若者の距離を近づける活動に取り組む学生団体の小泉のの花さんが「私も投票をしました」と笑顔で応じ、こう理由を話してくれました。「自分が推している子がデビューしてほしいなと思ったからです」
 これは日本新聞協会が「主権者教育のこれからとNIEの可能性」をテーマに二月に開いた教育フォーラム=写真=でのひとこまです。
 関西学院大准教授として民主主義の研究もする鈴木さんはこう続けます。「政治への親しみだったり熱意とかを持てれば、応援したい人のために何かしたいと思うに決まっている。しくみの問題じゃなくて、しくみを使って何かをしたいと思えるほどの熱意を持たせることができているか政治は、政治家は、ということだと僕は思う」
 「主権者教育」とは硬い話ではなく、身近なことなんだと、司会を務めていた私も共感しました。若者が日常の中で、いろんな課題を語り合っている。それが主権者教育の質の向上につながっていくのではないでしょうか。
 パネリストにはもう一人、明治大特任教授の藤井剛さんもお招きしました。「韓国では投票に行くとその日はいろんなものが割引になる」と藤井さんは紹介。世界各国の投票のしくみを比べてみるという学びは、政治に対する生徒たちの感覚を変えていくうえで有効だと指摘しました。
 新聞について三人の考えを尋ねると、小泉さんは「オンラインの新聞とかはたまに読みますが、お金を払って情報を手に入れるというのが若者にとってはハードルが高い」と本音を明かします。
 朝の情報番組で新聞五紙の読み比べ経験がある鈴木さんは「できる限り複数の記事を読み比べる。慣れてくると面白くなってくる」と話し、小泉さんにはまず図書館で読んでみるようアドバイス。
 高校教員時代に新聞を活用したNIEの授業経験が豊富な藤井さんも「憲法記念日の社説の読み比べの授業も有効でしたよ」と回想。バランスよく情報や論調に接することができるよう、半年ぐらいごとに二紙ずつ新聞を変えながら購読するという自身の読み方を紹介してくれました。
 三者三様の興味深いやりとりは九十分間にわたり続きました。簡潔な概要は新聞協会の公式サイトをご覧ください。 (日本新聞協会NIEコーディネーター 関口修司)

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