マリウポリの製鉄所に子どもや女性1000人避難か…ロシア側「偽情報」と攻撃の構え 犠牲拡大の恐れ

2022年4月19日 20時39分
18日、ウクライナ・マリウポリで(AP)

18日、ウクライナ・マリウポリで(AP)

 ロシア軍が18日、ウクライナ東部ドンバス地域への大規模攻撃を始めたことで、民間人を含む死者がさらに増える懸念が高まっている。ドネツク州の港湾都市マリウポリの製鉄所には子どもや女性ら1000人が避難しているとされ、ロシア側は投降を呼び掛ける一方で、応じない場合に攻撃を仕掛ける構えも崩していない。ロシアは第2次大戦の対ナチス・ドイツ戦勝記念日の5月9日までに、ドンバス全域の掌握など決定的な戦果を上げることにこだわっているとみられ、なりふり構わず作戦を遂行し大きな犠牲が出る恐れがある。
 「市民が巻き込まれる懸念はない」。東部でロシア軍とともに戦う親ロ派武装勢力の民兵組織のバスリン報道官は19日、ロシアメディアにこう断言し、マリウポリでのウクライナ側への総攻撃を命じた。
 マリウポリでは、ウクライナの内務省系部隊「アゾフ連隊」が広大な製鉄所の地下に籠城。現地メディアは、同じ場所に子どもや女性ら民間人1000人も避難中だと報じている。
 バスリン氏は「ウクライナ兵が生き残るための偽情報だ」と述べ、現地にはアゾフ連隊と外国人雇い兵しかいないと主張。ロシア国防省は、市民が製鉄所内にいる可能性もあるとして、退避に向けた「人道回廊」設置を発表したが、近く制圧に乗り出す方針は堅持したままだ。
 対独戦勝利の5月9日はロシアにとっては国民統合の象徴。プーチン政権はモスクワでの軍事パレードに向け、ウクライナでの軍事作戦を象徴する文字「Z」を戦闘機で描くリハーサルを行っており、9日の「戦果発表」は既定路線となっている。
 それに向けて懸念されるのが、ロシアがウクライナ側に集中攻撃を仕掛けるための口実づくりだ。ロシア国防省は18日、24日の正教会の復活祭に合わせ「ウクライナの民族主義者が教会を爆破する」と根拠を示さず予告した。ウクライナ側は、ロシアが反撃名目で24日にテロを自作自演する恐れがあるとみている。

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