ウクライナに自衛隊ドローン供与へ 武器輸出「3原則」対象外と政府説明 識者懸念「容易に武器にもなる」 

2022年4月19日 21時28分
記者会見する松野官房長官=19日、首相官邸で

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  • 記者会見する松野官房長官=19日、首相官邸で
  • 防衛省
 防衛省は19日、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの追加支援で、自衛隊が保有するドローンと化学兵器対応の防護マスク、防護衣の供与を決めた。ドローンは監視用の市販品で、武器輸出の条件を定めた「防衛装備移転3原則」の対象外と説明するが、使い方によっては敵を殺傷する攻撃作戦に用いることも可能。専門家は「提供対象が攻撃に転用されかねないものに拡大している」と指摘する。
 提供するドローンは上空からカメラで情報収集するもの。防衛省の担当者は「無人(攻撃)機のようなものではなく、監視用との前提だ」と説明。松野博一官房長官も19日の記者会見で、「ドローンはウクライナ政府の適正な管理の下、防衛のために適切に使用される」と語った。
 ただ、提供後の使い方はウクライナ側に委ねられるため、確認は難しい。欧米メディアによると、ウクライナは市販品のドローンでロシア軍の位置を特定し、攻撃に活用していると報じている。
 防衛省も最新の防衛白書で「近年、民生用を含むドローンを用いた軍事施設へのテロが各国で発生している」と明記。市販品でも爆薬を搭載すれば直接兵器として転用できるとの指摘もある。
 防護マスクなどの提供は目的外使用の禁止などを定めた防衛装備移転3原則に基づいて手続きされるが、ドローンは対象外になっている。
 軍事評論家の前田哲男氏は「ドローンはカメラによる情報収集で攻撃の『目』の役割を果たす。爆弾を積むだけで容易に武器にもなる」とし「ドローンを3原則の適用外とするのはおかしな話だ」と批判する。法政大大学院の白鳥浩教授も「緊急事態の下、何をやっても良いという雰囲気になりつつあり、なし崩しに本格的な武器提供につながっていく恐れがある」と懸念する。(山口哲人)

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