<新型コロナ>保護者の休業助成、風俗業除外 見直し求め支援団体要望書

2020年4月4日 16時00分
 臨時休校に伴って仕事を休んだ保護者のうち、個人で業務委託を受けて働くフリーランスに、国は支援金を出す。ただ、風俗業界で働く女性らは除外された。厚生労働省は「雇用助成金の対象外となっており、今回も同様の措置」と説明するが、シングルマザーが多く、困窮の恐れが高まる。性風俗従事者の労働環境改善に取り組む団体「SWASH」は、「職業差別をせず、親子の生存権を守ってほしい」と見直しを求める要望書を厚労省に出した。
 国は二月二十七日から六月三十日の間、小学校や保育所などに子どもを通わせられず、休まざるを得なかったフリーランスに日額四千百円を支給する。一方で風俗営業の接待業務や、異性の客への接触に関わる業務などは除外した。デリバリーヘルスやキャバクラなどで働く人が該当するという。
 厚労省の担当者は、風俗事業者が雇用助成から外れていることを理由に挙げた。「暴力団とつながりがあったり、違法状態で営業したりする店に助成することが過去に問題となった。業務委託を受けて働く人は個人事業主であり、事業者と同じ立場」と話す。加藤勝信厚労相も三日の記者会見で「取り扱いを変える考えはない」と述べた。
 SWASHの要(かなめ)友紀子代表は「企業でも良い会社と悪い会社があるのに、風俗業全般を悪と決めつけている。違法な店や暴力団との関わりは事業主の問題。働く人のせいではなく子どもにも何の責任もない」と訴える。
 風俗業で働く人の相談に乗る「風テラス」によると、三月は前年の約三倍にあたる約百六十件の相談が殺到。「客が減り、出勤しても稼げない」など窮状を訴える声が相次いだ。
 風テラスの安井飛鳥弁護士は「特に地方都市では最低賃金が低く、生活のため風俗業で働く女性も一定数いる。風俗業がセーフティーネットとなっている実態もある」と指摘。「風俗業の法的位置付けは長年議論があるが、新型コロナウイルス感染症のような緊急事態に、平時の要件を当てはめるのはどうか」と疑問視する。
 女性の人権問題に詳しい角田由紀子弁護士は「非常時に除外することは『黙って死ね』ということか。不支給要件はおかしい」と国の姿勢を批判した。

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