お茶の水橋・都電遺構 保存へ 一部すでに譲渡 全国の大学・博物館で研究

2020年4月5日 02時00分

アスファルトの下から現れた線路=東京都文京・千代田区境にかかるお茶の水橋で

 東京都千代田区、文京区境の神田川にかかる「お茶の水橋」の工事現場で見つかった路面電車のレールや敷石といった遺構について、全国の複数の大学や博物館で保存・研究されることが、千代田区などへの取材で分かった。一部はすでに譲渡されており、東京の交通史を知る上で貴重な存在として保存の必要性を訴えていた市民らは「保存は難しいのではないかと思っていたが、実現してうれしい」と喜ぶ。
 工事を実施する千代田区は、研究や展示、保存を目的とした団体に遺構を無償で提供する方針。一方で、区内でも保存・活用できるよう一定量は残すという。
 区や保存を訴える市民グループ「お茶の水橋都電レール保存会」などによると、遺構の受け入れに手を挙げたのは、静岡産業大、早稲田大、法政大の合同研究グループや、日本大理工学部など数団体。保存会にも提供され、会が仲介する形で、すでに譲渡された博物館などもある。
 路面電車が市内を走る岡山シティミュージアム(岡山市)にも、鉄製レール約十センチが保管される。保存会メンバーらが保存先を探す中で同館に依頼した。今後、企画展内での一般公開を検討している。担当学芸員は「路面電車つながりで『活用してもらえるなら』ということだったので、引き受けた」と話す。
 静岡産業大情報学部の内藤旭恵(あきえ)専任講師はレールと敷石を研究室などで保管。当時の街並みをCGで再現する三大学合同プロジェクトの一環として、区へ遺構の提供を要望したという。
 保存会メンバーで弁護士の山内貴博さん(50)=杉並区=は「非常に珍しいレールなので、全国で保存してもらえるのはありがたい」と話している。
 お茶の水橋では、一九〇四(明治三十七)年に橋を渡る路線が開通。戦時中の四四(昭和十九)年に不要不急路線として休止になり、線路はアスファルトで覆われ、戦後に復活することなく廃止された。
 昨年十月、橋の路盤強化工事でアスファルトをはがしたところ再び姿を現し、工事範囲を広げた今年一月には五十五メートルにわたりレールと敷石が出現し、注目を集めた。鉄道ファンが保存会を結成し、千代田、文京両区に保存を訴えていた。 (天田優里)

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